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カテゴリーアーカイブ: 法人税

マイナンバー制度

投稿日:2017年07月06日

1.マイナンバー制度の概要
2.マイナンバーを使用する場面
3.マイナンバーと税金の申告
4.マイナンバーと情報管理

 

マイナンバー制度の概要

 

平成28年1月よりマイナンバー制度が導入
されましたが、果たしてどのような制度なのか
簡単にご紹介させていただきます。

マイナンバーとは国民一人一人が持つ12桁
の番号のことで、税金や社会保険、雇用保険
などの行政手続きに必要となる番号のことです。

このマイナンバーを使用することにより、国の
各種行政機関や市区町村役場の行政手続き
が効率化され、より迅速な行政運営が行える
ようになりました。

さらに、生活保護費の不正受給等が相次ぐ中、
マイナンバーで個人の収入等を把握し、その
ような不正受給を防止することも可能になります。

もちろん、公平な課税を行うためにもマイナンバー
が使用されることになります。

ではどのような場面でマイナンバーが必要に
なっていくのか具体的に解説していきたいと
思います。

 

マイナンバーを使用する場面

 

上記でも触れましたが、マイナンバーは行政
手続き等に利用されていますが、どういった場面
で必要になるのかを以下でご紹介したいと思います。

マイナンバー1

上記は総務省のHPから抜粋してきた資料ですが、
学生から主婦、高齢者に至るまでマイナンバーを
使用する場面は多々あります。

さらには、平成30年から銀行口座にもマイナンバー
が導入されることが決まっています。

ただ、銀行口座へのマイナンバーの本格的な
義務付けは平成33年とされ、徐々に実施され
ていくとされています。

このように個人情報を把握することにより、所得隠
しや生活保護の不正受給の防止が図られると同時に、
税金の徴収がより強化されます。

 

マイナンバーと税金の申告

 

平成28年度の確定申告からマイナンバーが
必要になりましたが、この制度が導入されれば
確定申告はどのように変化するのでしょうか。

例えば所得税ですと、マイナンバーによって
個人個人の所得がより正確に把握できるよう
になるため、所得の申告漏れを指摘される
可能性が高くなります。

というのも、マイナンバーの導入によるメリット
の一つとして挙げられるのが税金の確実な徴収です。

マイナンバーシステムで全国の税務署や
市区町村役場と連携することによって、
申告漏れがある人を捕捉できる可能性が
高くなります。

これにより、例えばいくつかの仕事
(アルバイトを含む)を掛け持ちしている場合でも、
マイナンバーによって簡単に個人個人の所得を
把握することが可能になります。

また、扶養親族の所得も容易に把握できるよう
になりますので、扶養親族に該当するのか否か、
これまで以上に事前にきちんと確認しておく必要
があるでしょう。

さらに、様々な支払調書にもマイナンバーを
記入しなければなりません。

因みに支払調書とは、会社の様々な支払
(給料、個人事業主への支払、報酬、配当、
家賃、等)を税務署に届け出る書類のことです。

(参考)支払調書の作成

代表的な支払調書は、弁護士や税理士に報酬
を支払った際に税務署に提出する「報酬、料金、
契約金及び賞金の支払調書」です。

この法定調書にも28年よりマイナンバーの
記載が義務付けられました。

マイナンバー2

これにより、今まで把握することが難し
かったキャバクラのホステスさんや風俗店
で働く方の所得把握も簡単になると言わ
れています。

 

マイナンバーと情報管理

 

このように、マイナンバーはとても便利な
システムなのですが、その扱いは極めて
慎重にしなければなりません。

最も気を付けなければならないのは情報漏洩です。

では、個人情報の情報漏洩について、
マイナンバー管理者はどのような対策を
講じていくべきなのでしょうか。

1つは、できるだけ紙で保管せずに、
セキュリティー対策を施したPC内で
管理し閲覧できる人を限定することです。

そうすれば偶発的な漏洩というものは
最小限にできるのではないかと思います。

どうしても紙で保管するのであれば、
厳重な管理下で保管する必要があります。

一方、どのように厳重な対策を講じていても
情報が流出してしまう場合がありますが、
そのような場合はどういった罰則があるのでしょうか。

例えば、正当な理由なく、業務で取り扱う
マイナンバーを他者に漏洩した場合には、
4年以下の懲役または200万円以下の罰金
という罰則規定がありますが、これは
マイナンバーの情報漏洩の中で一番重い
罰則となっています。

上記の罰則は故意による情報漏洩の場合
ですが、当然過失による漏洩もあります。

やはり重要な個人情報を扱う場合には、
マイナンバー管理者含め企業内部で対策を
立てる必要があるでしょう。

一般社団法人・一般財団法人と税金

投稿日:2015年11月10日

1.一般社団法人・一般財団法人とは
2.社団法人・財団法人の分類
3.一般社団法人・一般財団法人と会計
4.一般社団法人・一般財団法人と税務

 

一般社団法人・一般財団法人とは

 

最近、私の事務所でも一般社団法人・一般
財団法人の税金について相談に来られる方
が結構いらっしゃいます。

実際、弊所でも一般社団法人・一般財団法人
を数社、税務顧問として担当させていただい
ております。

一般社団法人・一般財団法人は「一般社団法人
及び一般財団法人に関する法律」により規定
されている法人です。

一般社団法人・一般財団法人の会計処理や
税金の計算方法は、他の一般的な株式会社
等とは異なっている部分があります。

 

社団法人・財団法人の分類

 

社団法人・財団法人は法人税法上3つに分類
されます。

一般社団法人の種類

1.公益社団法人・公益財団法人
一般社団法人・一般財団法人のうち、主たる
目的が公益目的事業である法人が、「公益社団法人・
公益財団法人の認定に関する法律」に基づき
行政長(内閣総理大臣または都道府県知事)に
申請し公益認定を受けた法人だけが公益社団法人・
公益財団法人になることができます。

公益社団法人・公益財団法人は、法人税法上の
「公益法人等」になりますので、公益目的事業
については法人税は課税されません。

一方で、この公益認定を受けた公益社団法人・
公益財団法人も公益事業とは別に、収益事業を
行うことが可能ですので、この収益事業の部分
だけが法人税の課税対象になります。

2.非営利型の一般社団法人・一般財団法人
「公益社団法人・公益財団法人の認定に関する
法律」で公益認定を受けていない一般社団法人・
一般財団法人であっても、後述する非営利型法人
の要件に該当する法人は、法人税法上の「公益
法人等」として営む事業のうち収益事業につい
てのみ法人税の課税対象になり、非収益事業に
対しては課税されません。

非営利型法人の要件

3.非営利型以外の一般社団法人・一般財団法人
「公益社団法人・公益財団法人の認定に関する
法律」で公益認定されていない一般社団法人・
一般財団法人のうち、上記2(非営利型の一般
社団法人・一般財団法人)以外の法人になります。

この分類に属する一般社団法人・一般財団法人は、
法人税法上の「普通法人」に該当することになり
ますので、営むすべての事業に対して法人税が課税
されます。

 

一般社団法人・一般財団法人と会計

 

一般社団法人・一般財団法人は、公益事業や共益
事業等の非収益事業を行いつつ、一部営利を目的
とした収益事業も行っている場合があります。

このように、非収益事業と収益事業の両方を営む
場合、どのような会計基準を採用すれば良いでしょ
うか。

採用され得る会計基準としては「公益法人会計基準」
または「企業会計基準」の2つが考えられます。

会計を勉強したことがある人なら「企業会計基準」
という言葉はご存知だと思います。

一方、「公益法人会計基準」は公益法人特有の
会計基準ですのでご存知の方は少ないと思います。

「公益法人会計基準」を簡単に説明すると、
寄付金や国・地方公共団体からの助成金等で
使途を指定されているものについて、指定さ
れた使途ごとに分類して会計処理を行う会計
基準です。

「公益法人会計基準」は、公益社団法人・公益財団
法人はもちろん、一般社団法人・一般財団法人でも
採用可能な会計基準です。

特に、主に非収益事業を営んでいる一般社団法人
・一般財団法人で、寄付金や国・地方公共団体か
らの助成金等が主な収入源になっている場合には、
「公益法人会計基準」で会計処理を行うべきです。

一方、一般社団法人・一般財団法人であっても
収益事業だけを営んでいる場合や、非収益事業
を営んでいる場合でも、収入に占める寄付金や
国・地方公共団体からの助成金等の割合が少な
い場合には「企業会計基準」で会計処理を行っ
たほうが良いです。

「企業会計基準」で会計処理を行う場合には市販
の会計ソフトでも対応可能ですが、「公益法人
会計基準」で会計処理を行う場合には市販の会計
ソフトで対応することができません。この場合には、
別途「公益法人会計基準」に対応した専用ソフトを
購入しなければなりません。

 

一般社団法人・一般財団法人と税務

 

一般社団法人・一般財団法人といっても、非営利型
の法人とそれ以外の法人があるということは前述し
ました。

このうち、非営利型以外の一般社団法人・一般財団
法人については、法人税法上「普通法人」に該当す
ることになりますので、全ての事業について税務申告
を行い税金を納税することになります。

また、消費税についてもその他の株式会社と同様の
方法で申告を行うことになります。

一方、非営利型の一般社団法人・一般財団法人に
ついては、営む事業のうち収益事業についてのみ
税務申告を行い税金を納税することになります。

非収益事業については税務申告の必要はありません。

また、消費税については、株式会社等とは異なる
計算方法で納税額を計算することになります。

これは、一般社団法人・一般財団法人の収入に占め
る特定収入(会員の年会費、寄付金、国・地方公共
団体からの助成金、等)の割合が5%以上の場合に、
これらの対価性の無い収入によって賄われる課税仕入
の税額控除額を調整する必要があるためです。

この、消費税の「課税仕入の税額控除額を調整」す
るための計算が非常に複雑なため、消費税の申告は、
一般社団法人・一般財団法人の税務申告の中でも最
も難しい部分になります。

新宿地域と税理士

投稿日:2015年09月25日

1.新宿地域の特徴
2.新宿と税理士事務所
3.新宿と相続税

 

新宿地域の特徴

 

新宿区と一口に行っても地域によって
さまざまな特徴があります。
新宿区で最も栄えているのは何といっ
ても新宿駅周辺です。

新宿駅には、山手線、中央線、総武線、
等のJR線のほか、都営新宿線や都営
大江戸線、東京メトロ丸の内線といっ
た地下鉄、小田急線、京王線、西武線
等の私鉄が乗り入れています。

JRだけで1~16番ホームまであります。
JRや地下鉄、その他の私鉄等の駅も含
めた1日の乗降客数は350万人にも上り
ます。

この乗降客数はもちろん世界一位でギネス
にも登録されています。

(ちなみに乗降客数世界2位は池袋駅、
世界3位は渋谷駅ということで、上位
10位くらいまでは日本の駅が独占して
います。しかし、インドとかって電車
の屋根の上にまで人が乗っているよう
なイメージで、電車の利用者も多そう
なのですが・・・電車の本数が少ない
のでしょうか。)

その新宿駅周辺ですが、西口は高層ビル
が立ち並ぶオフィス街で東口は歌舞伎町
がある歓楽街になります。この新宿の
高層ビル街や歌舞伎町は外国人観光客
の方にも人気があるようです。

新宿駅から少し歩くと新宿御苑という大
きな公園があり、週末は小さなお子さん
を連れた家族連れで賑わっています。

次に新宿区内で有名な場所といえば神楽坂
でしょうか。

昔の花街ですが、現在は昔の風情が残る
町並みで居酒屋や料亭等が立ち並びます。
ここも外国人観光客の方に人気の場所ですね。

また、新宿区には大学や病院、その他の
公的な施設も多数設置されています。

大学は、慶應義塾大学、早稲田大学、
学習院大学、等がありますし、病院は、
慶応義塾大学病院、国立国際医療研究
センター病院、東京女子医科大学病院、
東京医科大学病院、等日本でもトップ
クラスの病床数を誇る総合病院が多数
あります。

新宿区内のその他の公的な施設といえ
ば、もちろん新宿駅西口の東京都庁が
あります。

また市ヶ谷には防衛省もあります。

信濃町には国立競技場やその他のスポーツ
関連施設があり2020年東京オリンピック
のメーン会場になる予定です。

新宿には、こうしたオフィス街や歓楽街
さらには公的な施設が多数あるため、
これらに関連する企業が数多く事務所や
店舗を構えています。

これらの会社の多くは税務申告を行う必要
があるため、税理士事務所が必要になると
いう訳です。

(2015年)現在、新宿区には大小合わ
せて約500もの税理士事務所があります。

 

新宿と税理士事務所

 

上述しましたように、新宿区には多く
の会社があるため、それらの会社の
経理や税務を行う税理士も多数事務所
を構えています。

新宿区に事務所や店舗を構える企業に
は、非常に大規模な会社から中小企業、
さらには個人事業主まで様々な形があ
りますが、これらの企業の形によって
税務申告の方法も変わってきます。

例えば、中小企業であれば、法人税の
申告を新宿税務署と東京都税事務所に
行えば良い場合が大半です。

しかし大企業の場合、新宿以外に工場
や営業所を持っていれば、それらの地域
の道府県や市区町村にも税務申告を行わ
なければなりません。

また、個人事業主の方は、法人税の申告
ではなく所得税の申告を行うことになります。

このように、同じように見える企業でも、
税務申告となるとその方法は様々です。

 

新宿と相続税

 

相続税という観点から新宿地域を考え
てみますと、やはり税理士の役割は大
きいものがります。

といいますのも、新宿駅周辺の地価は
もちろんですが、新宿区全域にわたっ
て地価が高い地域が多く、新宿区内に
不動産を所有していらっしゃる方が亡
くなると、多くの場合相続税が課税さ
れます。

もちろん相続税というのは、亡くなら
れた方の不動産以外の資産(例えば、
預金、国債、株式)にも課税されます
が、新宿区に不動産を持っている場合
には、総資産に占める不動産の割合が
高くなる傾向にあります。

相続税の申告を行う上で難しいのは何と
いっても不動産の評価になります。

特に、評価を行おうとする不動産が高額
になると、その評価も慎重に行わなけれ
ばなりません。

新宿区は東京23区の中心に近く、千代田区、
港区、渋谷区、文京区、といった新宿区より
もさらに地価の高い区とも隣接しています。

新宿区の税理士事務所では、そういった難し
い相続税の申告も行っています。

交際費と会議費

投稿日:2014年12月17日

1.交際費とは
2.会議費とは
3.個人事業主と交際費
4.交際費と税務調査
5.交際費と会議費
6.社内の者だけでの飲食

 

交際費とは

 

交際費とは、「自社の取引先(得意先や仕入先)
に対して、接待、慰安、贈答、等を行うため」に
支出する費用のことです。

この交際費ですが、法人税を申告するうえで
どのくらい経費として認められるかは、その時
の経済・財政状況によって頻繁に変わります。

現在、中小企業(資本金1億円未満の会社)
の場合、交際費のうち下記1か2のいずれか
多い金額まで法人税法上の経費とすること
が可能です。
1.交際費の合計金額のうち年間800万円
2.取引先との飲食に使った交際費の50%
(※2014年12月時点)

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の
場合、上記1は認められず2の金額までし
か交際費として認められません。

 

会議費とは

 

自社の役員や従業員のみ、または、社外の
取引先を交えて行った打合せや会議で、そ
の打合せや会議の際に提供される飲食物が
通常の昼食程度のものである場合には、その
飲食費は会議費になります。

 

個人事業主と交際費

 

個人事業主の場合、支出した交際費の全額が
経費として認められます。

したがって交際費という点から見れば、税務上、
法人よりも個人事業主の方が有利ということに
なります。

しかし、個人事業主の場合にも、交際費の原則
である「自社の取引先(得意先や仕入先)に対
して、接待、慰安、贈答、等を行うため」の支出
という点は変わりありませんのでご注意ください。

 

交際費と税務調査

 

中小企業の場合、交際費として認められるのは、
年間800万円または飲食に使った交際費の50%
のいずれか大きい金額までです。

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の場合、
交際費として飲食に使った金額のうち50%まで
しか経費として認められません。また、飲食費
以外の交際費は全く認められません。

したがって、本来交際費に該当するはずの支出を、
会議費等の他の科目に置き換えて経費にしてしま
うようなことが行われがちです。

しかし、このようなことは税務署もお見通しです
ので、税務調査の際には、本来交際費に該当する
支出が会議費等の他の科目に含まれていないか
調べることがあります。

また、中小企業や個人事業主でも交際費の
税務調査は行われます。

これは、本来交際費にも会議費にも該当し
ないはずの、仕事とは関係の無い家族旅行
や友人との飲食が交際費として計上されて
いないかどうか確認するためです。

 

交際費と会議費

 

取引先との懇親を目的とした飲食費は、原則として
交際費になります。

しかし、このうち一定の範囲内の飲食については
会議費として処理することが認められています。

その一定の範囲内とは、「一人あたりの金額が
5,000円以下の飲食費」です。

たとえば、自社の役員と従業員および取引先の
従業員2名の合計4人で行った飲食については、
合計金額が20,000円以下であれば、交際費では
なく会議費として処理することができます。

なお、この「一人あたりの金額が5,000円以下
の飲食費」を会議費として処理するには、これら
飲食の事実がわかる領収書とともに、以下の事項
を記載した書類を作成して保管しておかなければ
なりません。

1.飲食の年月日
2.飲食に参加した者の氏名または名称とその関係
3.飲食に参加した人数
4.飲食の合計金額と1名あたりの金額
5.店名とその所在地
6.その他参考となるべき事項

 

社内の者だけでの飲食

 

先程の、「一人あたりの金額が5,000円以下の
飲食費」を会議費として処理することができる
のは、取引先等の社外の人と飲食した場合に限
られています。

社内の者だけで仕事の打合せ等のために飲食した
場合には、原則通り、その飲食が会議費の範囲内
のものであれば会議費となり、範囲外の飲食費
は交際費となります。

また、当然ですが、仕事と関係の無い飲食は会社
の経費とすることができません。このような場合、
その飲食にかかった金額は、飲食した者に対する
役員賞与または給与として処理されることになります。

支払調書の作成

投稿日:2014年11月29日

1.支払調書とは
2.支払調書の種類
3.各支払調書の作成
4.給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

支払調書とは

 

たとえば、外注先の個人事業主やフリーランス
の方へ報酬を支払う際には、支払者が支払金額
の10.21%(源泉所得税10%+復興特別所得税
0.21%)の所得税を源泉徴収して支払います。

このように、個人事業主やフリーランスの方へ
報酬を支払って源泉徴収を行った場合には、
その支払先や支払金額、源泉徴収税額等を
記載した書面を作成し税務署に提出しなけ
ればなりません。

この書面のことを支払調書といいます。

 

支払調書の種類

 

支払調書の種類は「報酬、料金、契約金及び
賞金の支払調書」をはじめとして何十種類
(ざっと数えただけでも60種類)もあります。

しかし、一般的な会社が作成する可能性の高い
支払調書は下記の6種類のみです。これらの
支払調書は、支払の都度作成するのではなく
年度(1~12月)ごとにまとめて作成します。

1.給与所得の源泉徴収票
2.退職所得の源泉徴収票
3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
4.不動産の使用料等の支払調書
5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

以下で順番に説明していきます。

 

各支払調書の作成

 

1.給与所得の源泉徴収票
もっとも一般的なものが「給与所得の源泉徴収票」
になります。これは、自社の役員や従業員に給料
を支払った場合に作成しなければなりません。

給与所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
各種所得控除の情報

2.退職所得の源泉徴収票
最近は退職金制度を導入している会社も少なく
なりましたが、退職金を支給する会社ではこの
「退職所得の源泉徴収票」を作成しなければな
りません。

退職所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
勤続年数

3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
外注先の個人事業主やフリーランスの方へ報酬
を支払う際には、支払者が支払金額の10.21%
(源泉所得税10%+復興特別所得税0.21%)
の所得税を源泉徴収して支払います。

個人事業主やフリーランスの方へ報酬を支払っ
た場合には、支払調書を作成しなければなり
ません。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
報酬の種類

4.不動産の使用料等の支払調書
事務所や店舗、駐車場等の不動産を賃貸によ
り使用している場合には、その支払内容を
記載した支払調書を作成しなければなりま
せん。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産の使用料等の支払調書

(主な記載事項)
賃料の支払を受ける者の住所と氏名
賃貸物件の所在地
支払金額

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
土地や建物等の不動産を購入した場合には、
その購入内容を記載した支払調書を作成し
なければなりません。

ただし、購入金額が100万円以下のものにつ
いては支払調書を作成する必要はありません。

不動産等の譲受けの対価の支払調書

(主な記載事項)
購入代金の支払を受ける者の住所と氏名
購入物件の所在地
支払金額

6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
土地や建物等の不動産を売買または賃貸した
場合、仲介を行った不動産業者に対して仲介
手数料を支払います。この仲介手数料を支払
った場合には支払調書を作成しなければなり
ません。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

(主な記載事項)
仲介手数料の支払を受ける者の住所と氏名
売買金額や賃貸料
仲介手数料の金額

 

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
とは、上述した支払調書1~6をまとめたA4版
の書類になります。この書類には、各支払調書
に記載された金額や人数を合計して記載します。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

この「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
は、毎年1月31日までに、前年分(1~12月)につ
いて記載したものを提出しなければなりません。

また、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
を提出する際に、上述した支払調書1~6を添付して
提出しなければなりません。

詳しくは、
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方」
をご覧ください。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方

法人化のメリット

投稿日:2014年11月13日

1.法人化による4つのメリット
2.法人化の3つのデメリット
3.一人事業の法人化と税金
4.二人以上の事業の法人化と税金

 

法人化による4つのメリット

 

現在、個人事業主として事業を行っている
方が、法人化した場合には、どのような
メリットがあるのでしょうか。

法人化によるメリット1(信用)
取引先が上場会社等の場合、個人事業主で
は取引してもらえない場合があります。
同様に、インターネットショッピングモールへ
の出店も個人事業主では困難な場合があります。

このような場合には、それらの会社と取引
を行えるように、現在行っている個人事業を
法人化する必要があります。
また、求人募集の際にも、法人の方が信用度
が高いと思われる傾向があります。

法人化によるメリット2(有限責任)
個人事業主の場合、債務はすべて返済しないと
いけません。
一方、株式会社や合同会社の場合、株主は出資
の範囲内で責任を負うという有限責任が採用さ
れています。

有限責任とは、会社の債務はあくまで会社の
債務ですので、その債務を会社の株主が返済
する必要は無いということです。株主は、会
社設立時または増資時に出資した金額以上に
債務を負うことはありません。

法人化によるメリット3(青色欠損金)
個人事業主の場合、青色欠損金は3年間繰越
して、その後の利益と相殺することができます。
一方、法人の場合、青色欠損金は9年間繰越
すことが可能です。

※青色欠損金とは、ある事業年度に損失が出た
場合、その後の事業年度の利益と相殺できる
という制度です。この損失を繰越せる期間が、
個人と法人で異なるのです。
もちろん、繰越せる期間が長い方が有利です。

法人化によるメリット4(税金)
個人事業主と法人では、税金の計算方法が
全く異なるため、収入金額にもよりますが
節税することが可能となります。

 

法人化の3つのデメリット

 

法人化によるデメリット1(費用)
法人の設立や維持に費用がかかります。
会社の設立費用は、株式会社であれば
約25万円、合同会社であれば約9万円、
くらいです。

また、個人事業主の場合、利益が出て
いなければ税金がかかりません。
一方、法人の場合、利益が出ていなく
ても年額7万円の税金がかかります。

法人化によるデメリット2(経理)
個人事業主の場合、白色申告であれば
簡単な会計帳簿を付ければ良いことに
なっています。
一方、法人の場合、複式簿記の原則に
従って会計帳簿を付けなければなりません。

法人化によるデメリット3(社会保険)
個人事業主の場合、従業員が4人以下
であれば社会保険への加入は任意です。
一方、法人の場合、社長一人の法人で
あっても社会保険に加入しなければな
りません。

現在、年金の支給開始年齢は65歳ですが、
将来的に68歳や70歳まで引き上げられる
可能性が高くなっています。

高額な厚生年金保険料(2014年11月現在:
会社と給料の受給者の負担分を合わせて、
給料の17.47%が保険料)を支払っても、
将来的にその年金を何年間受給できるのか
考えると、個人事業主が加入する国民年金
でも十分かなと、個人的には思います。

あとは、国民年金基金に加入する等、
個々の自助努力で老後に備えた方が
賢い方法かもしれません。

※ちなみに、先ほどの厚生年金保険料
17.47%に、一般的な中小企業が加入
する全国健保協会の健康保険料率(
2014年11月現在[東京都]:会社と給料
の受給者の負担分を合わせて、給料の
11.69%が保険料)を加えると29.16%
の保険料となり、かなり高額の社会保険
料の負担となります。

 

一人事業の法人化と税金

 

個人事業主として、奥様やお子様と一緒
に事業を行っている場合であれば、その
奥様やお子様に青色事業専従者給与とい
う給料を支給することができます。

結果として、所得の分散効果で、家族
全体としての税金は少なくなります。

しかし、一人で個人事業を行っている場合、
家族に青色事業専従者給与を支払うという
ことができません。

事業の所得は、全て個人事業主本人の所得
として課税されますので、結果として税金
が多くなってしまいます。

このような場合には、個人事業主の所得が
900万円を超えた時点で法人化を考えた方
がいいです。

理由は簡単で、所得税よりも法人税の方が低
くなるためです。

個人の場合、所得が900万円を超えた時点
で、所得税と住民税を合わせた税金の負担率
が43.69%となっています。

※2014年11月現在(以下同様)

法人の場合は、最も税率が高い800万円超の
法定実効税率でも35.64%となっています。

「所得税43.69%>法人税35.64%」
もちろん税率が低い方が有利なので法人税の方
が有利となります。

一方、個人事業主の所得が900万円以下の場合
、所得税と住民税を合わせた税金の負担率は
33.48%となります。

これだと、法人の最も高い800万円超の法定実効
税率35.64%と比べて所得税の方が低くなってい
ます。

「所得税33.48%<法人税35.64%」
この場合には所得税の方が有利になりますので、
個人事業主のままでいた方が良いということに
成ります。

法人化した場合の役員報酬の設定金額でも税額
は大きく変わりますが、ザックリと、個人事業主
で1000万円を超える所得がある人は法人化を
考えた方がいいでしょう。

あとは、法人化のデメリット3(社会保険)で
書きましたように、社会保険の加入による保険料
の負担増をどのように考えるか、という問題に尽き
ると思います。

 

二人以上の事業の法人化と税金

 

一人事業の法人化のところで既に書きましたが、
奥様やお子様と一緒に事業を行っている場合で
あれば、その奥様やお子様に青色事業専従者給与
という給料を支給することができるため、所得の
分散効果で、家族全体の税金が少なくなります。

このような二人以上の事業の場合、個人事業主で
あっても、家族に青色事業専従者給与を支払うこ
とにより家族全体の税金が少なくなるため、税金
に限って言えば、法人化するメリットは薄まると
考えていいでしょう。

したがって、二人以上の事業の場合、一人事業の
場合よりも所得が多くないと、法人化による節税
効果は期待できないということになります。

一方で、青色事業専従者給与を家族に支払うこと
ができるとはいえ、無制限に認められているわけ
ではありません。

あくまで、その親族の働きに見合った部分が給料と
して認められるだけですので、青色事業専従者給与
の金額には限度があります。

個人事業主の奥様が事業を手伝っていて、年額360万円
(月給30万円)の青色事業専従者給与を支払っている
場合、個人事業主本人の所得1,000万円と合わせて、
1,360万円の所得になれば、法人化を考えた方がいい
でしょう。

これに、さらにお子様が加わった場合、お子様の
青色事業専従者給与も加算した所得で、法人化の
有利不利を検討します。

このように、二人以上の事業の法人化は、個人事業主
本人の所得プラス青色事業専従者給与の合計額で法人化
の有利不利を検討します。

あとは、一人会社の法人化の場合と同様、社会保険
の加入による保険料の負担増をどのように考えるか、
という問題に尽きると思います。

役員報酬の変更

投稿日:2014年11月01日

1.役員報酬の種類
2.役員報酬の変更時期
3.役員報酬の期中変更

 

役員報酬の種類

 

会社は役員に対して役員報酬を支払います。

その役員報酬は、会社が自由に決めて良い
ことになっています。

しかし、税務上では、一定の条件に当て
はまる役員報酬のみ経費として認められ
ることになっています。

その理由は、役員報酬を変更することに
よって、会社の利益を調整することを防止
するためです。

税務上、会社の経費にならないと判断され
た役員報酬がどのように取り扱われるかと
いうと、以下のようになります。

1.会社の経費にならないため、会社の利益
が増える。結果として、会社の法人税が増
えます。

2.支払われた役員報酬は、役員個人の収入
になるため、役員に所得税や住民税が課税
されます。

このように、役員報酬が税務上の経費になら
ないと判断された場合には、会社と役員個人
の両方にダブルで税金が課税されてしまいます。

役員報酬の金額を変更する場合は、この点に
注意して変更するようにしましょう。

では、どのような役員報酬であれば税務上
の経費として認められるのでしょうか。

税務上の経費として認められる役員報酬は
次の3つしかありません。

①定期同額役員報酬
1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給する
役員報酬で、毎月の支給額が同じ額である
役員報酬を言います。
(たとえば、6月~翌年の5月までの1年間、月額50万円ずつ支給)

②事前確定届出役員報酬
あらかじめ税務署に届出ておいた金額を
所定の時期(たとえば、6月と12月に
100万円ずつ支給)に支給する役員報酬
で、その定めに基づいて支給する役員報酬
のこと。
役員に賞与的な支給を行いたい場合などに、
事前確定届出役員報酬として定めておきます。

③利益連動型役員報酬
会社の利益に連動して支払う役員報酬です。
しかし、対象となる法人が上場会社等の
大企業に限定されているため、一般の中小企業
では認められていません。

もちろん、①と②を組み合わせたりして
役員報酬を設定することも可能です。

①の定期同額役員報酬は、ほぼ全ての会社
が採用している最も一般的な役員報酬です
ので、今回はこの定期同額役員報酬の変更
についてみていきたいと思います。

 

役員報酬の変更時期

 

既に書きましたように、税務上では一定の
条件に当てはまる役員報酬のみ経費として
認められることとなっています。

その条件に当てはまる定期同額役員報酬は、
原則として期中に金額を変更することがで
きません。

この場合の期中というのは、ある定時株主
総会から次の定時株主総会までの間という
意味です。

もし期中に定期同額役員報酬を変更すると
、変更した部分の金額が経費として認めら
れなくなってしまいます。

たとえば、3月決算の会社であれば、
株主総会は通常5月中頃に開かれます。

役員報酬の変更は株主総会の翌月からとい
う会社がほとんどですので、6月支給分の
役員報酬から金額変更するということにな
ります。

つまり、役員報酬の変更は、通常、会社の
決算月の3ヶ月後の支給分からというこ
とになります。

そして、6月から支給を開始した役員報酬
は、翌年の5月までの1年間変更してはいけ
ないということです。

たとえば、6月から月額50万円で支給を
開始した役員報酬を、8月に月額80万円
に増額変更した場合、8月~翌年5月まで
の300万円(変更月額30万円×10ヶ月)
は会社の経費として認められなくなります。

同様に、6月から月額50万円で支給を開始
した役員報酬を、8月に月額30万円に減額
変更した場合、6月~7月に支給していた
月額50万円のうち減額変更後との差額40
万円(変更月額20万円×2ヶ月)は会社の
経費として認められなくなります。

しかし、会社の利益調整を防止するためと
はいえ、期中の役員報酬の変更が全て認め
られないとすると、不都合な場合が発生す
るため、利益調整の恐れが無い場合に限って
期中での役員報酬の変更が認められています。

 

役員報酬の期中変更

 

役員報酬の期中での変更が認められる
ケースは、以下のような場合です。

1.取締役から代表取締役への変更等、
役員としての区分が変更になったこと
による役員報酬の変更。

2.役員が怪我や病気のため業務を行う
ことができなくなったため、その業務
を行うことができなくなった期間の
役員報酬を減額変更した場合。

3.社員や会社の法令違反等があり、
その責任を取る形で役員報酬を減額
変更する場合。

4.会社が合併や分割を行った場合で、
その会社の両方から役員報酬の支給
を受けている場合。

5.会社の業績が著しく悪化したことに
より、第三者(株主や銀行、取引先、等)
との関係上、役員報酬を減額変更せざる
を得ない場合。

上記の5つのケースに当てはまる場合、
役員報酬の変更は可能ですが、その変更
の原因となった理由を後々説明できるよ
うに、株主総会議事録や取締役会議事録
を準備しておきましょう。

また、5.の「会社の業績が著しく悪化した
こと」を理由とする役員報酬の減額変更は、
第三者である株主や銀行、取引先、等との
関係で役員報酬を変更したということがわ
かるような書類を何か準備しておきましょう。

いずれにしろ、役員報酬の変更は一歩間違え
ると経費として認められなくなりますので
慎重に行いましょう。

起業資金

投稿日:2014年10月20日

1.起業資金の必要性
2.起業資金の種類
3.起業資金のための銀行融資の申し込み方

 

起業資金の必要性

 

私は、税理士業界で10年以上働き、
様々な形で起業する方を見てきました。

事業を立ち上げて継続させていかなけれ
ばならないという厳しい世界。

そこでは、どんなに素晴らしいビジネス
プランやアイデアを持っていたとしても、
起業資金が無ければ事業として日の目を
見ることはありません。

起業資金というのは、事業を立ち上げる
ために必要な店舗や事務所を借りたり、
機械やその他の設備を購入したり、商品
や材料を購入したり、人件費を支払った
りするための資金です。

この起業資金は二つに分けることができます。

一つは、店舗や事務所を借りたり、機械
やその他の設備を購入したりするための
設備資金です。

この設備資金は、起業する際にまとめて
かかる費用ですので、金額も大きくなります。

もう一つは、事業立ち上げ後、事業が軌
道に乗るまでの人件費や商品の仕入代金、
家賃や水道光熱費等を支払うための運転
資金です。

運転資金は、設備資金に比べて一つ一つ
の金額は少額のものが多いですが、起業後、
事業が軌道(採算ベース)に乗るまで6~
12カ月間くらいの合算となりますので、
これもそれなりに大きな金額となります。

そして、この設備資金と運転資金の合計
額が起業に必要な資金となります。

では、この起業に必要な資金である起業
資金はどのようにして調達すればいいの
でしょうか。

 

起業資金の種類

 

起業資金の捻出方法は、大きく分けて以下
の三つになります。

自己資金

起業する際には、当然ある程度の自己資金
が必要になります。

自己資金は多ければ多いほどいいのですが、
全額が自己資金でなくても結構です。

ただし、自己資金が全くないと起業するこ
とはできません。

起業資金を銀行融資等で賄うにしても、ある
程度の自己資金は必要となります。

親類や友人からの援助

先ほど述べた自己資金だけでは起業資金を
調達できない場合には、親類や友人からの
資金援助を考えなくてはなりません。

しかし、いくら親兄弟や親しい友人とはいえ、
数十万円から数百万円にも上る起業資金を、
そう簡単に提供してくれるとは限りません。

そういった場合には、提供してくれた資金
に対して利息や配当金を支払う等、何らかの
インセンティブを付けて資金提供をお願い
をすることになります。

しかし、この利息や配当金も多額になってし
まうと、後々経営を圧迫してしまいますので、
自己資金とのバランスを考えなければなりません。

銀行融資

起業時に、銀行や信用金庫等の一般金融機関
に直接融資を申し込んでも、100%断られます。

といいますのも、一般の金融機関に直接融資
を申し込む場合には、過去2~3年分の自社
の確定申告書や決算書を提出し過去の業績を
開示しなければなりません。

しかし、当然、起業当初は過去の業績など
存在しません。

ということは、一般の金融機関が独自に融資
の可否を判断できる材料がないということに
なりますので、直接融資を申し込んでも100
%断られてしまうというわけです。

とはいえ、起業時に、金融機関からの融資は欠
かせないものです。

 

起業資金のための銀行融資の申し込み方

 

そこで、一般の金融機関からの融資が駄目
でも、他に融資を受けられる方法があります。

それは、日本政策金融公庫や信用保証協会
を活用した起業融資です。

日本政策金融公庫

まず、日本政策金融公庫についてですが、
この会社は国が100%を出資する国策金融
機関です。

ですので、この組織は国の意向を強く受け
ることになります。

現在、国は、経済活性化策の一つとして起業
支援を掲げています。

その一環として、日本政策金融公庫も起業
資金の融資に力を入れています。

日本政策金融公庫が行う起業資金の融資の
なかでのも「新創業融資制度」という起業
家向けの融資では、最大1,500万円まで無担
保・無保証人で融資が可能とされています。

通常、一般の金融機関であれば求められる
代表者の連帯保証が無いため、万が一会社
が倒産してしまった場合でも、代表者が融資
の返済を求められることはありません。

これは大きなメリットです。

一方で、日本政策金融公庫を利用した融資の
デメリットは、次に説明する保証協会を利用
した融資よりも、利息負担が重くなる場合が
多いということです。

利息の負担は2%台後半~3%台

融資実行までの期間については、日本政策
金融公庫の場合、融資の相談から実行まで、
大体1ヶ月くらいを目安に考えておきましょう。

(ただし、不動産等の担保を提供できる場合
には、2週間くらいで融資が実行される場合も
あります。)

信用保証協会

次に、信用保証協会を利用した起業資金の
調達についてご説明します。

信用保証協会は国の公的機関であり、起業家
や中小企業が金融機関から融資を受ける際、
保証人になってくれます。

金融機関としては、融資に保証協会の保証を
付けることで、融資の返済が滞った際のリスク
を軽減できるため、中小企業への融資の際に
は頻繁に利用されています。

この信用保証協会の制度を利用して、各都道
府県や市区町村等の自治体が独自に行ってい
る融資の斡旋制度があります。

この制度は、各自治体の斡旋により、起業家
や中小企業が、信用保証協会の保証付きで一般
の金融機関から融資を受けることができると
いう制度です。

各自治体は、域内での起業を促進することに
よって、雇用や税収の増加を期待することがで
きますので、利息や信用保証協会の保証料の
補てん等、様々な特典があります。

一方で、各自治体が独自に設けている制度です
ので、その内容はバラバラで、そもそもこのよ
うな制度が無い自治体もあります。

※2014年10月現在
東京都が行っている創業融資の斡旋は、
最大2500万円まで
利息の本人負担率は2%台

※2014年10月現在
新宿区が行っている創業融資の斡旋は、
最大2000万円まで
利息の本人負担率は0.7%台
また、保証協会の保証料の1/2を区が
補てんしてくれます。

各自治体が行う融資斡旋制度のデメリット
は、自治体と信用保証協会と金融機関の3者
が係るので、日本政策金融公庫の融資よりも
時間がかかるということです。

融資の相談から実行まで、大体2ヶ月
くらいを目安に考えておきましょう。

自己資金の必要性

どの銀行に融資を申し込むにしても、
自己資金がゼロでの起業というのは、
計画性が全くないとみなされて取り
合ってくれません。

したがって、起業に必要な資金のうち、
最低でも1/3は自己資金で準備するよ
うにしましょう。

起業資金の調達は、ビジネスを成功
させるための第一歩です。

それぞれの資金のメリットやデメリット
を考慮しながら計画的に進めましょう。

会計ソフトの導入

投稿日:2014年10月07日

1.会計ソフト導入のメリット
2.会計ソフト導入によるデメリット
3.会計ソフトを導入する時期
4.会計ソフト導入時に注意すべき事項

 

会計ソフト導入のメリット

 

一昔前までは、会計ソフトは高価で使い勝手
の悪いものでしたが、現在では安価で使いや
すいものが多数販売されています。

このような会計ソフトを導入することにより、
中小企業でも容易に会計ソフトを導入し、会社
内で会計を管理できるようになりました。

会計ソフト導入のメリット①
会計ソフトを導入することのメリットは、
まず、会社の業績をリアルタイムで把握で
きることです。

手書きの帳簿を作成して毎月の業績を把握
しようとすると、企業規模にもよりますが、
1週間から1ヶ月くらいの時間がかかります。

その点、会計ソフトでは、会計処理がある
程度自動化されていますので、リアルタイ
ムでの業績把握が可能です。

会計ソフト導入のメリット②
次に、会計ソフトの導入により会計および
税務業務が効率化されることにより、これ
まで会計および税務業務に費やされてきた
人件費や時間を削減できるメリットがあり
ます。

もちろん、会計ソフトの導入による効率化
のメリットは会社規模にもよりますが、
中小企業であっても会計ソフトの導入によ
る効率化のメリットは十分にあります。

会計ソフト導入のメリット③
さらに、会計ソフトの導入により業務の正
確性もアップします。

手書きであれば必然的に発生する書き間違
いや計算間違いは、会計ソフトではほとん
ど無くなりますし、万が一そのようなことが
発生したとしても、後からの修正が容易です。

会計ソフト導入のメリット④
青色申告を行っている個人事業主であれば、
会計ソフトを導入することにより複式簿記の
要件を満たすこととなりますので、青色申告
特別控除65万円の適用を受けることができ
ます。

 

会計ソフト導入によるデメリット

 

会計ソフトを導入することによるデメリッ
トは、入力した会計デ-タがPCの故障に
より消えてしまったり、消費税率の変更等
に伴って会計ソフトをバージョンアップす
る際に費用が発生するということです。

しかし、これらの問題点も会計データのバ
ックアップ体制を構築することや、バージョ
ンアップの際に若干の費用を支払うことによ
り解決することが可能です。

したがって、これらの問題点はそれほど大
きなデメリットではありません。

 

会計ソフトを導入する時期

 

会社設立1年目や会社設立準備中の方は、
設立第1期目から会計ソフトを導入した
ほうがいいでしょう。

また、会社設立後、既に決算を何度か経験
されている会社であれば、次の事業年度の
期首から会計ソフトを導入するのが一般的です。

しかし、会社設立後、何回か決算を経過し
ている会社でも、期の途中から会計ソフト
を導入することは可能です。

いずれの段階で会計ソフトを導入するにし
ろ、事前にある程度の準備が必要となります。

 

会計ソフト導入時に注意すべき事項

 

①会計ソフトの選び方
会計ソフトの導入時には、当然会計ソフト
を購入しなければなりません。

現在では、比較的安価な会計ソフトから、
高価な会計ソフトまで、様々な会計ソフト
が販売されています。

会計ソフトを選ぶ際、単に価格のみで選ん
でしまうと、後々使い勝手が悪かったり、
税制改正に対応したバージョンアップに
対応していなかったりと、様々な問題点が
発生してしまう可能性があります。

中小企業でよく使用されている会計ソフトは、
「弥生会計」(発売元:弥生)、
「JDL IBEX出納帳」(発売元:JDL)、
「財務応援」(発売元:EPSON)、
「freee」(発売元:freee)
等です。

これらの会計ソフトであれば、比較的安価で、
かつ、消費税率変更等の税制改正にも確実に
対応してくれます。

また、それぞれの発売元会社が、給与計算
ソフトや販売管理ソフト等を発売している
ため、それぞれのソフトを連動させること
により、より効率的な会計業務が可能とな
ります。

②会計ソフトの初期設定
会計ソフトは、パソコンにインストールすれ
ばすぐに使えるという訳ではありません。

会計ソフト導入時には、会計ソフトの各種
初期設定が必要となります。

具体的には、消費税や勘定科目、期首残高の
設定です。

特に勘定科目の設定については、会計ソフト
インストール時には数百個もの勘定科目が登
録されていますので、このまま使用すると
勘定科目を探し出すだけで大変な手間がかか
ってしまいます。

そうすると、会計ソフト導入のメリットであ
る会計業務の効率化が十分に達成できないた
め、この勘定科目を各会社に適した勘定科目
に整理して、会計業務を効率よく行えるよう
にしなければなりません。

③会計データのバックアップ
既に、会計ソフト導入のデメリットのところ
でも書きましたが、会計ソフトで入力した
会計データは、パソコン内に保存されている
ため、万一パソコンが壊れてしまった場合に
会計データも壊れてしまう可能性があります。

そこで、会計ソフトに入力したデータを何ら
かの形でパソコン以外の外部メディアにバッ
クアップしておいた方が安全です。

この外部メディアは、USBメモリー、外付け
HDD、CD、等何でも構いません。

また、税理士事務所と会計データのやり取り
を行っている場合には、税理士事務所で
会計データを保管しておいてもらうのが良い
でしょう。

 

このように、会計ソフトの導入は、会計ソフト
の選定と会計ソフト導入後の運用設定を考慮し
ながら進めましょう。

また、会計ソフトの入力は、手書きで会計
帳簿を作成するよりはかなり簡単ですが、
多少は簿記の知識が必要です。

当事務所では、会計ソフトのサポートと同時に、
簿記等の会計知識をサポートするプログラム
もありますので安心してご相談下さい。

ブログはじめました

投稿日:2014年09月29日

1.ブログ始めました
2.会社経営者や独立起業を目指す人達との出会い
3.夢と経営戦略と会計・税務
4.会社経営者と顧問税理士
5.会社経営者と顧問税理士とのギャップを埋める

 

ブログ始めました

 

初めまして、新宿で税理士事務所を
経営してます、税理士の屋(おく)と申します。

今までも事務所のホームページはあったのですが、
情報発信という意味では今一つでしたので、
今回はブログを取込んだ形のホームページにしてみました。

まず、簡単に自己紹介させていただくと、
私は、約15年前に税理士業界に入り、
約10年前の29歳の時に独立起業して
自分の税理士事務所を立ち上げました。

なので、はっきり言ってこの業界しか知りません。

 

会社経営者や独立起業を目指す人達との出会い

 

この15年間、様々な会社経営者や起業家の
方々と仕事をしてきました。

経営者では、
数百人規模の従業員を擁する会社の経営者、
少数精鋭で年間10億円の売上高をあげる経営者、
海外ビジネスに精通した若手経営者、
一から立ち上げた会社を上場(東証マザーズ)
させた経営者、等々。

独立起業を目指す方では、
ソニーや電通といった有名企業から独立起業される方、
資金や人脈がとても豊富な起業家、
非常に良いビジネスアイデアを持った起業家、
単身、海外でのビジネスに挑戦する起業家、等々。

私自身を成長させてくれる人々との出会いがありました。

もちろん、たまには
「この人、本当に独立起業して大丈夫かな?」
という人もいました。

しかし、一様に言えるのは、皆さんそれぞれ
大きな夢をもって会社を経営したり、
独立起業を目指したりされているということです。

会社経営者や独立起業を目指す方々の夢は、
企業理念や将来のビジョンともかかわってくる
だけに、会社を経営する際には非常に重要
であることは間違いありません。

 

夢と経営戦略と会計・税務

 

しかし、現実問題として、夢を持っているだけ
では事業は成功しません。そこに確かな経営戦略が
存在しなければなりません。

そして、その経営戦略を立てる際には、自分の
持っているリソース(人・物・金などの経営資源)
をどう活用していくか考えなければなりませんが、
その際に必要となるのが、会計や税務の知識です。

また、経営戦略を練るだけではなく、会社経営全般
にわたっても会計や税務の知識が必要になってきます。

にもかかわらず、経営者で会計や税務を理解して
いる方が本当に少ないというが私の率直な感想です。

経営者の方からは、
「そのために顧問税理士をつけているんだろ!」
と怒られそうですが・・・。

 

会社経営者と顧問税理士

 

多くの会社は、顧問税理士とのやりとりが希薄で、
相互のコミュニケーションが不足していて、
税理士の知識や経験を上手く活用できていないのです。

これには、税理士側の問題点もありますが、
経営者側の問題点もあります。

税理士側の問題点としては、
税理士が高齢等の理由で質問等に対するレスポンスが悪い、
メールやスカイプ等の連絡手段が使えない。

また、そもそも顧問税理士が忙しすぎて
打合せ時間を設定できない。

さらに、顧問税理士は会計や税務の知識は豊富だが、
コミュニケーション能力が低い等々、税理士側にも
様々な問題点があると思います。

経営者側の問題点としては、
そもそも何を相談して良いかわからない。
会計や税務のことは全て顧問税理士に任せているのだから
質問するのは失礼だと思っている。

飲食店等で営業時間が夜間なので、
税理士事務所の営業時間に打合せ時間
を取ることができない、等です。

私は、今まで、この税理士側と経営者側のギャップ
を埋めようと、様々な対応を実施してきました。

たとえば、
頻繁に海外出張される経営者との打ち合わせのため
にスカイプを導入したり、
営業時間が夜間の顧問先のために事務所の営業時間を
20:00まで延長したり、

と、経営者の方とのコミュニケーションの機会を
増やすとともに、私の方から積極的に、会社経営や
会計・税務に関するアドバイスを行ってきました。

 

会社経営者と顧問税理士とのギャップを埋める

 

会社経営者と顧問税理士とのギャップを埋める。

その一環として、このブログでは、
会社経営者や今後独立起業しようと考えている
方のために、会計や税務の情報を積極的に発信
していこうと思います。

今後このブログで、会計や税務に関する
情報のみならず、起業や融資等、会社経営
に関する情報を発信していきたいと思います。

経営理念 業務内容 料金表 会社設立サポート 税理士変更サポート 事務所設立Story 無料相談からお見積もりまで 税務情報ブログ 採用情報 お問い合わせ
会社設立や経理代行等、各種税理士業務に関するご相談なら、新宿の屋税理士事務所までお気軽にご相談ください。
屋税理士事務所
東京都新宿区新宿2‐14‐6
第一早川屋ビル305
●地下鉄新宿御苑前駅・新宿三丁目駅徒歩5分
●JR新宿駅徒歩10分