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個人事業主の源泉徴収制度とは

投稿日:2015年04月10日

1.個人事業主の源泉徴収制度とは
2.所得税の源泉徴収が必要な個人事業主
3.源泉所得税の徴収義務
4.個人事業主から源泉徴収した所得税の納付期限と徴収漏れ

 

個人事業主の源泉徴収制度とは

 

何か事業を行う場合、個人事業主との取引
が発生することがります。

個人事業主とは、営業の形態が会社ではなく、
個人として事業を行っている人のことをいいます。

個人事業主だからといって、事業を運営して
いくうえで何か不都合があるというわけで
はありませんが、この個人事業主との取引で
注意すべき点は、所得税の源泉徴収制度です。

どういうことかといいますと、個人事業主
の方へ報酬を支払う際には、多くの場合、支払
者が支払金額の10.21%(原則10%+震災復興
特別税0.21%)の所得税を源泉徴収して税務署
に納付する義務があります。

また、個人事業主の方への支払金額が100万
円を超える場合には、100万円を超える部分
に対して20.42%(原則20%+震災復興特別税
0.42%)の所得税を源泉徴収しなければなり
ません。

一方、所得税を源泉徴収された個人事業主は、
毎年の確定申告時に、本来支払うべき所得税の
金額から、既に源泉徴収されている所得税の金
額を控除して納付税額を計算することとなり
ます。

このように、個人事業主から見れば、源泉徴
収制度は所得税の前払いということになります。

 

所得税の源泉徴収が必要な個人事業主

 

個人事業主の方に支払う報酬については、全て
所得税を源泉徴収しなければいけないのかとい
うとそうではありません。

以下に例示するような報酬を個人事業主に支払
う場合には所得税を源泉徴収しなければいけま
せんが、たとえば、大工さんや技術系の職人、
物販や製造業に携わるような個人事業主に対す
る支払は、所得税の源泉徴収が不要です。

1.原稿やイラスト、写真、作曲、各種デザイン
等、文章やデザイン作成の報酬(個人事業主)

2.税理士、弁護士、司法書士、社会保険労務士、
行政書士等、資格業の方の報酬(個人事業主)

3.社会保険の診療報酬(個人事業主)

4.プロ野球選手やサッカー選手等、プロスポーツ
選手の報酬(個人事業主)

5.テレビや映画、ラジオ等の出演料、および、
芸能人の報酬(個人事業主)

6.キャバクラやバーなどでホステスが受取る
報酬(個人事業主)

7.プロスポーツ選手が受取る一時的な契約金
(個人事業主)

8.広告宣伝のために支払う賞金や景品等の金品

個人事業主に報酬を支払う場合には、その
個人事業主が上記のような職業に該当するか
否か、慎重な判断が必要です。その個人事業主
が上記のいずれかに該当する場合には、所得税
の源泉徴収が必要となります。

 

源泉所得税の徴収義務

 

この所得税の源泉徴収義務は、報酬を支払う側に
あります。したがって、個人事業主からの請求書
に源泉所得税の金額が記載されているか否かに関係
なく、報酬の支払者が、自分で支払先の個人事業主
が上記の職業に該当するか否かを判断し、源泉所
得税額を計算し納税しなければなりません。

たとえば、前記の職業に該当する個人事業主の
方に仕事を依頼し、その金額が315,000円(本
体価格300,000円+消費税15,000円)だった
場合、

本来であれば30,630円(本体価格300,000円×
税率10.21%=30630円)の所得税を源泉徴収
しなければいけない訳です。

したがって、個人事業主の方へ支払う金額は
284,370円(315,000円-30,630円=284,370
円)となります。これを一般的な請求書の書式
で上から順に示すと以下のようになります。

(例)個人事業主からの請求書
請求金額    300,000円
源泉所得税額 ▲30,630円
消費税額    15,000円
差引請求金額  284,370円

 

個人事業主から源泉徴収した所得税の納付期限と徴収漏れ

 

この30,630円の源泉所得税は、原則として、
個人事業主に支払いを行った月の翌月10日ま
でに税務署に納付しなければなりません。

納付が遅れると、不納付加算税や延滞税等の
加算税が課せられますので、ご注意ください。

ちなみに、この際使用する源泉所得税の納付書は
「報酬・料金等の所得税徴収高計算書」というも
のになります。

また、先述したように、所得税の源泉徴収
義務は、報酬を支払う側にあります。間違
えて、支払い時に所得税を源泉徴収してい
なかった場合でも、源泉徴収すべきだった
金額を支払者が納税しなければなりません。

先述の例を使って説明すると、所得税30,630円
を源泉徴収せずに、315,000円をそのまま個人
事業主に支払ってしまった場合、後々の税務調
査で「所得税の源泉徴収漏れ」を指摘され、
追加で30,630円の源泉所得税を納付すること
になります。

そうすると、合計で345,630円(個人事業主
に支払った315,000円+税務調査での追加
納税額30,630円)を支払うこととなってし
まいます。

もちろん、税務調査での追加納税額30,630円の
部分については、本来は請求金額から控除して
支払わなければいけなかったものなので、個人
事業主本人に返還請求することも可能です。

しかし、何年も前のことなので相手が素直に
応じない、相手が事業所の移転や廃止をして
いて連絡が取れない、その他にも、個人事業主
の側も確定申告の修正が必要になったり、
返還請求すると自社の信用問題にかかわる等
の問題があり、すんなり返還してもらうという
訳にはいきません。

こういったことが無いように、個人事業主に
報酬を支払う場合には、必ず相手の職業を確
認し、所得税の源泉徴収が必要か否かを確認
して支払うようにしましょう。

 

税理士や弁護士報酬についての特例

 

税理士や弁護士等の報酬についても、原則と
して他の個人事業主に支払う報酬と同様、
支払者が支払金額の10.21%(または20.42%)
の所得税を源泉徴収して、支払った月の翌月
10日までに税務署に納付しなければなりません。

しかし、この際使用する源泉所得税の納付書
は、一般の個人事業主の場合に使用する「報酬・
料金等の所得税徴収高計算書」ではなく、
「給与所得、退職所得等の所得税徴収高計算書」
というものになります。

さらに、税理士や弁護士等の報酬については
特例があります。
それは、「源泉所得税の納期の特例」という
制度です。

この特例は、本来毎月納付すべき源泉所得税を、
半年に一度まとめて納付できるようにするもの
です。

納付時期は以下のようになります。
1~6月に支払った税理士や弁護士等の報酬に
ついては、7月10日までに納付。
7~12月に支払った税理士や弁護士等の報酬に
ついては、翌年1月20日までに納付。

銀行等に出向く手間暇が省けるため、私が担当
させていただいているお客様のほとんどが、
この源泉所得税の納期の特例を使って半年に
一度の納税を選択しています。

ただし、この特例を選択するには一つだけ条件
があります。それは、「使用する従業員が10人
未満であること」です。この条件に当てはまれ
ば、源泉所得税の納期の特例の承認を受けるこ
とができます。

この特例を受けるには、税務署に「源泉所得税
の納期の特例の承認に関する申請書」を提出し
なければなりません。この特例は、申請書を
提出した月ではなく、その翌月以降の報酬の
支払いから適用されますのでご注意ください。

源泉所得税の納期の特例の承認は、従業員の
お給料等にも適用できますが、その詳細につ
いてはまた「給料の源泉徴収」ということで
別途書きます。

このように、税理士や弁護士等の報酬について
は、他の個人事業主の場合とは異なる取り扱い
となる場合がありますので、税額計算や納税の
際には注意しましょう。

決算書の見方

投稿日:2015年03月16日

1.情報としての決算書
2.決算書とは
3.決算書の見方

 

情報としての決算書

 

昔から「情報を制するものは世界を制す」と
言われます。

現在日本では、ほとんどの家庭にインター
ネットが普及し、様々な情報を取得するこ
とが容易になりました。

また、携帯電話も一人一台の時代になり、
携帯電話やスマホからインターネットを
使用することが可能となりました。

※日本のインターネット普及率82.8%(平成25年度末)
※日本の携帯電話普及率101.7%(平成25年度末)

今や世の中は情報であふれています。

現代に生きる私たちは、このあふれかえっ
た情報の中から必要なものを抜き出し、その
情報に自分なりの判断を加えて行動してい
かなければなりません。

たとえば、ファッションに興味がある人が
いたとします。

しかし、いくらファッションに興味がある
とはいえ全てのファッション雑誌をチェッ
クすることはできませんので、自分でいく
つか購入する雑誌を選びます(情報の取捨)。

購入したファッション雑誌に載っている洋服
の中から、自分に似合いそうなものを見つけて
(判断し)購入するという行動に移るわけです。

このような情報の利用方法は会社経営におい
ても同様で、たくさんの情報の中から自分に
必要な情報を抜き出し、そこに自分なりの判断
を加えて会社の経営に生かしていかなければ
なりません。

もちろん、必要な情報か否かは人によって異な
るため、一律に有用な情報とそれ以外の情報を
分けることはできません。

しかし、現代社会においては、この情報の見極
めが非常に重要となってきます。

会社経営に有用な情報は様々なものがあり、
必要となる情報も千差万別です。

しかし、唯一これだけは、どの会社でも有用だ
と言い切れる情報があります。

「決算書」です。

 

決算書とは

 

決算書は、数字という世界共通の言語によって、
その会社の財務状況や業績を表しています。

この決算書の中には、売上高や仕入高はもち
ろん、社員の給料や事務所の家賃、借入金や
手形の残高、保有する備品(固定資産)の残
高、等の情報が満載です。

これら決算書の情報は、利用しようという気
が無ければただの数字の羅列です。

しかし、決算書の情報を利用しようと考えて
いる人たちにとっては宝の山です。

決算書の情報は、株式市場で株式を売買する
ための大きな判断材料となりますし、経営者
にとっては今後の経営計画に無くてはならな
い情報です。

また、金融機関にとっても、決算書の情報は
融資を実行するか否かの判断を下す重要な
情報です。

このように、決算書の情報は利用しようと考
えている人たちにとっては非常に重要なもの
なのですが、経営者の中には、この決算書の
見方が解らないという方が多くいらっしゃい
ます。

そこで今回は、この決算書の中でも重要な損益
計算書の見方を簡単に説明したいと思います。

 

決算書の見方

 

決算書(損益計算書)
損益計算書

上記のような決算書を例にすると、やはり、
決算書を見るときに一番目につくのは、一
番上に表示される「A.売上高10,000」と
一番下に表示される「M.当期純利益300」
です。

決算書の「A.売上高10,000」は会社の規
模を表します。つまり年商がいくらの規模
の会社なのかということです。

「M.当期純利益300」も、決算書の中で一番
下に表示されるため目につきやすいです。こ
の数字は、会社の最終的な利益を表します。

また、銀行や株主が最も重視するのもこの
「M.当期純利益300」です。

よくニュース等で、上場企業の最終利益が
過去最高になりましたなどと言っているの
は、この「M.当期純利益300」のことにな
ります。

決算書の見方という点から言いますと、
最近の傾向として、「A.売上高」よりも
「M.当期純利益」を重視する傾向にあ
ります。

私も顧問先の決算書を確認する場合には、
最初に「A.売上高」を確認するものの、
やはり「M.当期純利益」を最も重視して
います。

決算書を見るうえで次に見るべき点とし
ては、「E.営業利益1,000」と「H.経常
利益900」があります。

この二つの利益は、本業でどれだけの利益
が出ているかを示すものです。

つまり、株や固定資産の売買等、本業とは
関係の無い「I.特別利益500」や「J.特別
損失1,000」を加味する前の段階の利益です。

逆に「E.営業利益1,000」と「H.経常利益
900」が赤字ということは、利益を出すべき
本業で赤字を出している状況を示しています。

したがって、この段階ではなるべく黒字を
確保しておきたいものです。

次に、決算書上の「D.販売費及び一般管理
費3,000」と記載されている部分です。

この「D.販売費及び一般管理費」の中には、
人件費や家賃、交際費、交通費、通信費、
外注費、広告宣伝費、その他、仕入以外の
重要な経費が入っています。

したがって、決算書には「D.販売費及び一般
管理費」の内訳書が必ず入っています。この
内訳書を必ず確認し、自分の会社の無駄な
経費をチェックして経費の削減に役立ててく
ださい。

最後に、決算書上の「F.営業外収益100」
「G.営業外費用200」「I.特別利益500」
「J.特別損失1,000」については、金額が
そんなに大きくないか、または、稀に大き
い金額が計上されたとしても一過性のもの
ですので、さほど気にする必要はありません。

決算書の見方は利用する立場によって様々
ですが、経営者や経理担当者が決算書を確
認する場合には、上記のような点に注意し
て決算書を確認してみましょう。

決算時期の決め方

投稿日:2015年02月09日

1.決算時期
2.上場会社の決算時期
3.会社設立時の決算時期の決め方

 

決算時期

 

会社の決算時期は、結論から言いますと、
何月でもいいですし、会社設立後に
決算時期を変更することも可能です。

 

上場会社等の決算時期

 

現在、日本の会社で最も多い決算時期は3月
と言われています。

これは、決算後に開催される株主総会での
総会屋対策のためであったり、国や
地方自治体との仕事が多い会社の場合には、
国の予算期間(4/1~3/31)に決算時期を
合わせた方が、予算を組みやすいため、
と言われています。

総会屋とは、会社の株式を若干数保有し、
決算や株主総会で、議事進行の妨害を行うなどして
会社から不当に利益を得ようとする人たちの総称です。

会社側は、総会屋が複数の会社の株主総会
に出席できないように、決算時期や株主総会
の開催時期を他の会社と同じにして、総会屋
対策を行っています。

実際、上場会社では、3月決算の会社が圧倒的に多いです。

総会屋と言われる人たちはかなり減ってきて
いるといわれていますが、現在でも数百人が
総会屋として活動しているといわれています。

しかし、そもそも株式上場どころか、
これから立ち上げようとする会社に
総会屋が入り込んでくることなどありえません。

将来、会社が大きくなって、株式の上場が
狙えるようになった時点で、決算時期の変更
を考えれば十分です。

また、国の予算期間(4/1~3/31)に決算時期を
合わせた方が良いという考え方もあります。

たしかに、大きな取引先の決算時期と、自社の
決算時期を合わせると、予算設定がやりやすくなる
と思います。

しかし、決算時期が異なっても、予算を組むこと
は可能ですので、この点についてはあまり気にする
必要は無いかと思います。

ところで、アメリカやヨーロッパの会社は
12月決算が多いと言われています。
実際、私が担当させていただいている外資系
の会社も12月決算が多いです。

 

会社設立時の決算時期の決め方

 

日本では、決算時期を何月にするかは会社の自由です。
ですので、特にこだわりが無ければ、会社設立から
1年後に決算時期を設定するのが一般的です。

そうすることにより、会社設立初年度から12ヶ月間の
事業年度となり、消費税免除を丸々12カ月間
受けることができます。

※消費税免税
通常、法人は消費税を納税する義務があります。
しかし、資本金が1,000万円未満の法人については、
設立1年目の消費税が免税になります。
また、設立1年目の売上高や人件費の額によって
2年目も消費税が免税になる場合があります。

また、売上高が最も多い月の前月に決算時期を
設定するのも良いと思います。

というのも、売上が最も多い月に決算時期を
設定すると、利益も一番多くなります。
その結果、決算対策を行う期間が短くなり、
会社には利益が残り、その利益に税金が課税されます。

例えば、おもちゃ屋さんでしたら、クリスマス
シーズンで売上高がピークになる12月ではなくて、
11月を決算時期にすれば、事業年度の初めで
ある12月にあげた利益をどう使えば良いのか、
時間をかけて対策を練ることができます。

これが12月決算だと、12月にあげた利益の
対策を行う期間が非常に短くなってしまい、
結果、その利益に税金が課税されてしまいます。

もっとも、税金対策よりも、銀行対策のために、
何が何でも黒字にしたいという会社は、逆に、
最も売上高が多い月に決算時期を設定したほうが
良いかもしれません。

また、これは当然ですが、自社の本業の繁忙期と
決算業務とが重ならないようにすべきです。

例えば、先ほど例に出したおもちゃ屋さんで、
10月を決算時期にすると、12月中に株主総会を開き、
同月末までに税務申告を行わなくてはなりません。

そうなると、繁忙期のクリスマスシーズン
まっただ中に決算業務を行うこととなり、
非常に大変な思いをすることになります。

一般的に、決算時期というと、3月や12月の
イメージが強いかもしれません。

しかし、どの業界も年間を通して、繁閑期の波が
ありますので、会社設立時に決算時期を決める際は、
事前にその繁閑期の波を調べてから決算時期を
決定することをおすすめします。

なんとなく3月決算などと設定するのではなく、
自分の会社の事業内容に合わせて、しっかりと
戦略を練って、決算時期を決めてください。

本年もよろしくお願い致します。

投稿日:2015年01月12日

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い致します。

さて、昨年は4月に消費税率8%へ
の改正 がありましたが、10%への
改正は見送られましたね。

駆け込み需要やその反動減等、経済や
市民生活にも大きな影響を与えました。

さて今年、平成27年は相続税と贈与
税を取り巻く環境が大きく変わること
になります。

まずは、もうご存知の方も多いと思い
ますが相続税の基礎控除額が大幅に引
き下げられます。

この改正により、今まで相続税とは
関係のなかった資産規模の方々も
相続税を納税することになります。

次に、相続税と贈与税ともに税率が
変更されます。

相続税は、全体として税率UPの方向
に税率が変更されます。

一方、贈与税も全体としは税率UPの
方向に税率が変更されますが、父母や
祖父母といったいわゆる直系尊属から
の贈与については税率DOWNの方向に
税率が変更されます。

また、亡くなられた方の居住用住宅を
引き継いだ際の敷地の評価額の軽減
措置が拡大されます。

昨年までは、評価額が軽減されるのは
居住用住宅の敷地のうち最大240㎡ま
での部分でしたが、平成27年からは
最大330㎡に拡大されました。

このように、今年は相続税と贈与税を
取り巻く環境が大きく変化しますので、
皆様も思わぬところで納税額が大きく
なったりということがございませんよ
うにご注意ください。

交際費と会議費

投稿日:2014年12月17日

1.交際費とは
2.会議費とは
3.個人事業主と交際費
4.交際費と税務調査
5.交際費と会議費
6.社内の者だけでの飲食

 

交際費とは

 

交際費とは、「自社の取引先(得意先や仕入先)
に対して、接待、慰安、贈答、等を行うため」に
支出する費用のことです。

この交際費ですが、法人税を申告するうえで
どのくらい経費として認められるかは、その時
の経済・財政状況によって頻繁に変わります。

現在、中小企業(資本金1億円未満の会社)
の場合、交際費のうち下記1か2のいずれか
多い金額まで法人税法上の経費とすること
が可能です。
1.交際費の合計金額のうち年間800万円
2.取引先との飲食に使った交際費の50%
(※2014年12月時点)

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の
場合、上記1は認められず2の金額までし
か交際費として認められません。

 

会議費とは

 

自社の役員や従業員のみ、または、社外の
取引先を交えて行った打合せや会議で、そ
の打合せや会議の際に提供される飲食物が
通常の昼食程度のものである場合には、その
飲食費は会議費になります。

 

個人事業主と交際費

 

個人事業主の場合、支出した交際費の全額が
経費として認められます。

したがって交際費という点から見れば、税務上、
法人よりも個人事業主の方が有利ということに
なります。

しかし、個人事業主の場合にも、交際費の原則
である「自社の取引先(得意先や仕入先)に対
して、接待、慰安、贈答、等を行うため」の支出
という点は変わりありませんのでご注意ください。

 

交際費と税務調査

 

中小企業の場合、交際費として認められるのは、
年間800万円または飲食に使った交際費の50%
のいずれか大きい金額までです。

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の場合、
交際費として飲食に使った金額のうち50%まで
しか経費として認められません。また、飲食費
以外の交際費は全く認められません。

したがって、本来交際費に該当するはずの支出を、
会議費等の他の科目に置き換えて経費にしてしま
うようなことが行われがちです。

しかし、このようなことは税務署もお見通しです
ので、税務調査の際には、本来交際費に該当する
支出が会議費等の他の科目に含まれていないか
調べることがあります。

また、中小企業や個人事業主でも交際費の
税務調査は行われます。

これは、本来交際費にも会議費にも該当し
ないはずの、仕事とは関係の無い家族旅行
や友人との飲食が交際費として計上されて
いないかどうか確認するためです。

 

交際費と会議費

 

取引先との懇親を目的とした飲食費は、原則として
交際費になります。

しかし、このうち一定の範囲内の飲食については
会議費として処理することが認められています。

その一定の範囲内とは、「一人あたりの金額が
5,000円以下の飲食費」です。

たとえば、自社の役員と従業員および取引先の
従業員2名の合計4人で行った飲食については、
合計金額が20,000円以下であれば、交際費では
なく会議費として処理することができます。

なお、この「一人あたりの金額が5,000円以下
の飲食費」を会議費として処理するには、これら
飲食の事実がわかる領収書とともに、以下の事項
を記載した書類を作成して保管しておかなければ
なりません。

1.飲食の年月日
2.飲食に参加した者の氏名または名称とその関係
3.飲食に参加した人数
4.飲食の合計金額と1名あたりの金額
5.店名とその所在地
6.その他参考となるべき事項

 

社内の者だけでの飲食

 

先程の、「一人あたりの金額が5,000円以下の
飲食費」を会議費として処理することができる
のは、取引先等の社外の人と飲食した場合に限
られています。

社内の者だけで仕事の打合せ等のために飲食した
場合には、原則通り、その飲食が会議費の範囲内
のものであれば会議費となり、範囲外の飲食費
は交際費となります。

また、当然ですが、仕事と関係の無い飲食は会社
の経費とすることができません。このような場合、
その飲食にかかった金額は、飲食した者に対する
役員賞与または給与として処理されることになります。

支払調書の作成

投稿日:2014年11月29日

1.支払調書とは
2.支払調書の種類
3.各支払調書の作成
4.給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

支払調書とは

 

たとえば、外注先の個人事業主やフリーランス
の方へ報酬を支払う際には、支払者が支払金額
の10.21%(源泉所得税10%+復興特別所得税
0.21%)の所得税を源泉徴収して支払います。

このように、個人事業主やフリーランスの方へ
報酬を支払って源泉徴収を行った場合には、
その支払先や支払金額、源泉徴収税額等を
記載した書面を作成し税務署に提出しなけ
ればなりません。

この書面のことを支払調書といいます。

 

支払調書の種類

 

支払調書の種類は「報酬、料金、契約金及び
賞金の支払調書」をはじめとして何十種類
(ざっと数えただけでも60種類)もあります。

しかし、一般的な会社が作成する可能性の高い
支払調書は下記の6種類のみです。これらの
支払調書は、支払の都度作成するのではなく
年度(1~12月)ごとにまとめて作成します。

1.給与所得の源泉徴収票
2.退職所得の源泉徴収票
3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
4.不動産の使用料等の支払調書
5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

以下で順番に説明していきます。

 

各支払調書の作成

 

1.給与所得の源泉徴収票
もっとも一般的なものが「給与所得の源泉徴収票」
になります。これは、自社の役員や従業員に給料
を支払った場合に作成しなければなりません。

給与所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
各種所得控除の情報

2.退職所得の源泉徴収票
最近は退職金制度を導入している会社も少なく
なりましたが、退職金を支給する会社ではこの
「退職所得の源泉徴収票」を作成しなければな
りません。

退職所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
勤続年数

3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
外注先の個人事業主やフリーランスの方へ報酬
を支払う際には、支払者が支払金額の10.21%
(源泉所得税10%+復興特別所得税0.21%)
の所得税を源泉徴収して支払います。

個人事業主やフリーランスの方へ報酬を支払っ
た場合には、支払調書を作成しなければなり
ません。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
報酬の種類

4.不動産の使用料等の支払調書
事務所や店舗、駐車場等の不動産を賃貸によ
り使用している場合には、その支払内容を
記載した支払調書を作成しなければなりま
せん。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産の使用料等の支払調書

(主な記載事項)
賃料の支払を受ける者の住所と氏名
賃貸物件の所在地
支払金額

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
土地や建物等の不動産を購入した場合には、
その購入内容を記載した支払調書を作成し
なければなりません。

ただし、購入金額が100万円以下のものにつ
いては支払調書を作成する必要はありません。

不動産等の譲受けの対価の支払調書

(主な記載事項)
購入代金の支払を受ける者の住所と氏名
購入物件の所在地
支払金額

6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
土地や建物等の不動産を売買または賃貸した
場合、仲介を行った不動産業者に対して仲介
手数料を支払います。この仲介手数料を支払
った場合には支払調書を作成しなければなり
ません。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

(主な記載事項)
仲介手数料の支払を受ける者の住所と氏名
売買金額や賃貸料
仲介手数料の金額

 

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
とは、上述した支払調書1~6をまとめたA4版
の書類になります。この書類には、各支払調書
に記載された金額や人数を合計して記載します。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

この「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
は、毎年1月31日までに、前年分(1~12月)につ
いて記載したものを提出しなければなりません。

また、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
を提出する際に、上述した支払調書1~6を添付して
提出しなければなりません。

詳しくは、
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方」
をご覧ください。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方

法人化のメリット

投稿日:2014年11月13日

1.法人化による4つのメリット
2.法人化の3つのデメリット
3.一人事業の法人化と税金
4.二人以上の事業の法人化と税金

 

法人化による4つのメリット

 

現在、個人事業主として事業を行っている
方が、法人化した場合には、どのような
メリットがあるのでしょうか。

法人化によるメリット1(信用)
取引先が上場会社等の場合、個人事業主で
は取引してもらえない場合があります。
同様に、インターネットショッピングモールへ
の出店も個人事業主では困難な場合があります。

このような場合には、それらの会社と取引
を行えるように、現在行っている個人事業を
法人化する必要があります。
また、求人募集の際にも、法人の方が信用度
が高いと思われる傾向があります。

法人化によるメリット2(有限責任)
個人事業主の場合、債務はすべて返済しないと
いけません。
一方、株式会社や合同会社の場合、株主は出資
の範囲内で責任を負うという有限責任が採用さ
れています。

有限責任とは、会社の債務はあくまで会社の
債務ですので、その債務を会社の株主が返済
する必要は無いということです。株主は、会
社設立時または増資時に出資した金額以上に
債務を負うことはありません。

法人化によるメリット3(青色欠損金)
個人事業主の場合、青色欠損金は3年間繰越
して、その後の利益と相殺することができます。
一方、法人の場合、青色欠損金は9年間繰越
すことが可能です。

※青色欠損金とは、ある事業年度に損失が出た
場合、その後の事業年度の利益と相殺できる
という制度です。この損失を繰越せる期間が、
個人と法人で異なるのです。
もちろん、繰越せる期間が長い方が有利です。

法人化によるメリット4(税金)
個人事業主と法人では、税金の計算方法が
全く異なるため、収入金額にもよりますが
節税することが可能となります。

 

法人化の3つのデメリット

 

法人化によるデメリット1(費用)
法人の設立や維持に費用がかかります。
会社の設立費用は、株式会社であれば
約25万円、合同会社であれば約9万円、
くらいです。

また、個人事業主の場合、利益が出て
いなければ税金がかかりません。
一方、法人の場合、利益が出ていなく
ても年額7万円の税金がかかります。

法人化によるデメリット2(経理)
個人事業主の場合、白色申告であれば
簡単な会計帳簿を付ければ良いことに
なっています。
一方、法人の場合、複式簿記の原則に
従って会計帳簿を付けなければなりません。

法人化によるデメリット3(社会保険)
個人事業主の場合、従業員が4人以下
であれば社会保険への加入は任意です。
一方、法人の場合、社長一人の法人で
あっても社会保険に加入しなければな
りません。

現在、年金の支給開始年齢は65歳ですが、
将来的に68歳や70歳まで引き上げられる
可能性が高くなっています。

高額な厚生年金保険料(2014年11月現在:
会社と給料の受給者の負担分を合わせて、
給料の17.47%が保険料)を支払っても、
将来的にその年金を何年間受給できるのか
考えると、個人事業主が加入する国民年金
でも十分かなと、個人的には思います。

あとは、国民年金基金に加入する等、
個々の自助努力で老後に備えた方が
賢い方法かもしれません。

※ちなみに、先ほどの厚生年金保険料
17.47%に、一般的な中小企業が加入
する全国健保協会の健康保険料率(
2014年11月現在[東京都]:会社と給料
の受給者の負担分を合わせて、給料の
11.69%が保険料)を加えると29.16%
の保険料となり、かなり高額の社会保険
料の負担となります。

 

一人事業の法人化と税金

 

個人事業主として、奥様やお子様と一緒
に事業を行っている場合であれば、その
奥様やお子様に青色事業専従者給与とい
う給料を支給することができます。

結果として、所得の分散効果で、家族
全体としての税金は少なくなります。

しかし、一人で個人事業を行っている場合、
家族に青色事業専従者給与を支払うという
ことができません。

事業の所得は、全て個人事業主本人の所得
として課税されますので、結果として税金
が多くなってしまいます。

このような場合には、個人事業主の所得が
900万円を超えた時点で法人化を考えた方
がいいです。

理由は簡単で、所得税よりも法人税の方が低
くなるためです。

個人の場合、所得が900万円を超えた時点
で、所得税と住民税を合わせた税金の負担率
が43.69%となっています。

※2014年11月現在(以下同様)

法人の場合は、最も税率が高い800万円超の
法定実効税率でも35.64%となっています。

「所得税43.69%>法人税35.64%」
もちろん税率が低い方が有利なので法人税の方
が有利となります。

一方、個人事業主の所得が900万円以下の場合
、所得税と住民税を合わせた税金の負担率は
33.48%となります。

これだと、法人の最も高い800万円超の法定実効
税率35.64%と比べて所得税の方が低くなってい
ます。

「所得税33.48%<法人税35.64%」
この場合には所得税の方が有利になりますので、
個人事業主のままでいた方が良いということに
成ります。

法人化した場合の役員報酬の設定金額でも税額
は大きく変わりますが、ザックリと、個人事業主
で1000万円を超える所得がある人は法人化を
考えた方がいいでしょう。

あとは、法人化のデメリット3(社会保険)で
書きましたように、社会保険の加入による保険料
の負担増をどのように考えるか、という問題に尽き
ると思います。

 

二人以上の事業の法人化と税金

 

一人事業の法人化のところで既に書きましたが、
奥様やお子様と一緒に事業を行っている場合で
あれば、その奥様やお子様に青色事業専従者給与
という給料を支給することができるため、所得の
分散効果で、家族全体の税金が少なくなります。

このような二人以上の事業の場合、個人事業主で
あっても、家族に青色事業専従者給与を支払うこ
とにより家族全体の税金が少なくなるため、税金
に限って言えば、法人化するメリットは薄まると
考えていいでしょう。

したがって、二人以上の事業の場合、一人事業の
場合よりも所得が多くないと、法人化による節税
効果は期待できないということになります。

一方で、青色事業専従者給与を家族に支払うこと
ができるとはいえ、無制限に認められているわけ
ではありません。

あくまで、その親族の働きに見合った部分が給料と
して認められるだけですので、青色事業専従者給与
の金額には限度があります。

個人事業主の奥様が事業を手伝っていて、年額360万円
(月給30万円)の青色事業専従者給与を支払っている
場合、個人事業主本人の所得1,000万円と合わせて、
1,360万円の所得になれば、法人化を考えた方がいい
でしょう。

これに、さらにお子様が加わった場合、お子様の
青色事業専従者給与も加算した所得で、法人化の
有利不利を検討します。

このように、二人以上の事業の法人化は、個人事業主
本人の所得プラス青色事業専従者給与の合計額で法人化
の有利不利を検討します。

あとは、一人会社の法人化の場合と同様、社会保険
の加入による保険料の負担増をどのように考えるか、
という問題に尽きると思います。

役員報酬の変更

投稿日:2014年11月01日

1.役員報酬の種類
2.役員報酬の変更時期
3.役員報酬の期中変更

 

役員報酬の種類

 

会社は役員に対して役員報酬を支払います。

その役員報酬は、会社が自由に決めて良い
ことになっています。

しかし、税務上では、一定の条件に当て
はまる役員報酬のみ経費として認められ
ることになっています。

その理由は、役員報酬を変更することに
よって、会社の利益を調整することを防止
するためです。

税務上、会社の経費にならないと判断され
た役員報酬がどのように取り扱われるかと
いうと、以下のようになります。

1.会社の経費にならないため、会社の利益
が増える。結果として、会社の法人税が増
えます。

2.支払われた役員報酬は、役員個人の収入
になるため、役員に所得税や住民税が課税
されます。

このように、役員報酬が税務上の経費になら
ないと判断された場合には、会社と役員個人
の両方にダブルで税金が課税されてしまいます。

役員報酬の金額を変更する場合は、この点に
注意して変更するようにしましょう。

では、どのような役員報酬であれば税務上
の経費として認められるのでしょうか。

税務上の経費として認められる役員報酬は
次の3つしかありません。

①定期同額役員報酬
1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給する
役員報酬で、毎月の支給額が同じ額である
役員報酬を言います。
(たとえば、6月~翌年の5月までの1年間、月額50万円ずつ支給)

②事前確定届出役員報酬
あらかじめ税務署に届出ておいた金額を
所定の時期(たとえば、6月と12月に
100万円ずつ支給)に支給する役員報酬
で、その定めに基づいて支給する役員報酬
のこと。
役員に賞与的な支給を行いたい場合などに、
事前確定届出役員報酬として定めておきます。

③利益連動型役員報酬
会社の利益に連動して支払う役員報酬です。
しかし、対象となる法人が上場会社等の
大企業に限定されているため、一般の中小企業
では認められていません。

もちろん、①と②を組み合わせたりして
役員報酬を設定することも可能です。

①の定期同額役員報酬は、ほぼ全ての会社
が採用している最も一般的な役員報酬です
ので、今回はこの定期同額役員報酬の変更
についてみていきたいと思います。

 

役員報酬の変更時期

 

既に書きましたように、税務上では一定の
条件に当てはまる役員報酬のみ経費として
認められることとなっています。

その条件に当てはまる定期同額役員報酬は、
原則として期中に金額を変更することがで
きません。

この場合の期中というのは、ある定時株主
総会から次の定時株主総会までの間という
意味です。

もし期中に定期同額役員報酬を変更すると
、変更した部分の金額が経費として認めら
れなくなってしまいます。

たとえば、3月決算の会社であれば、
株主総会は通常5月中頃に開かれます。

役員報酬の変更は株主総会の翌月からとい
う会社がほとんどですので、6月支給分の
役員報酬から金額変更するということにな
ります。

つまり、役員報酬の変更は、通常、会社の
決算月の3ヶ月後の支給分からというこ
とになります。

そして、6月から支給を開始した役員報酬
は、翌年の5月までの1年間変更してはいけ
ないということです。

たとえば、6月から月額50万円で支給を
開始した役員報酬を、8月に月額80万円
に増額変更した場合、8月~翌年5月まで
の300万円(変更月額30万円×10ヶ月)
は会社の経費として認められなくなります。

同様に、6月から月額50万円で支給を開始
した役員報酬を、8月に月額30万円に減額
変更した場合、6月~7月に支給していた
月額50万円のうち減額変更後との差額40
万円(変更月額20万円×2ヶ月)は会社の
経費として認められなくなります。

しかし、会社の利益調整を防止するためと
はいえ、期中の役員報酬の変更が全て認め
られないとすると、不都合な場合が発生す
るため、利益調整の恐れが無い場合に限って
期中での役員報酬の変更が認められています。

 

役員報酬の期中変更

 

役員報酬の期中での変更が認められる
ケースは、以下のような場合です。

1.取締役から代表取締役への変更等、
役員としての区分が変更になったこと
による役員報酬の変更。

2.役員が怪我や病気のため業務を行う
ことができなくなったため、その業務
を行うことができなくなった期間の
役員報酬を減額変更した場合。

3.社員や会社の法令違反等があり、
その責任を取る形で役員報酬を減額
変更する場合。

4.会社が合併や分割を行った場合で、
その会社の両方から役員報酬の支給
を受けている場合。

5.会社の業績が著しく悪化したことに
より、第三者(株主や銀行、取引先、等)
との関係上、役員報酬を減額変更せざる
を得ない場合。

上記の5つのケースに当てはまる場合、
役員報酬の変更は可能ですが、その変更
の原因となった理由を後々説明できるよ
うに、株主総会議事録や取締役会議事録
を準備しておきましょう。

また、5.の「会社の業績が著しく悪化した
こと」を理由とする役員報酬の減額変更は、
第三者である株主や銀行、取引先、等との
関係で役員報酬を変更したということがわ
かるような書類を何か準備しておきましょう。

いずれにしろ、役員報酬の変更は一歩間違え
ると経費として認められなくなりますので
慎重に行いましょう。

起業資金

投稿日:2014年10月20日

1.起業資金の必要性
2.起業資金の種類
3.起業資金のための銀行融資の申し込み方

 

起業資金の必要性

 

私は、税理士業界で10年以上働き、
様々な形で起業する方を見てきました。

事業を立ち上げて継続させていかなけれ
ばならないという厳しい世界。

そこでは、どんなに素晴らしいビジネス
プランやアイデアを持っていたとしても、
起業資金が無ければ事業として日の目を
見ることはありません。

起業資金というのは、事業を立ち上げる
ために必要な店舗や事務所を借りたり、
機械やその他の設備を購入したり、商品
や材料を購入したり、人件費を支払った
りするための資金です。

この起業資金は二つに分けることができます。

一つは、店舗や事務所を借りたり、機械
やその他の設備を購入したりするための
設備資金です。

この設備資金は、起業する際にまとめて
かかる費用ですので、金額も大きくなります。

もう一つは、事業立ち上げ後、事業が軌
道に乗るまでの人件費や商品の仕入代金、
家賃や水道光熱費等を支払うための運転
資金です。

運転資金は、設備資金に比べて一つ一つ
の金額は少額のものが多いですが、起業後、
事業が軌道(採算ベース)に乗るまで6~
12カ月間くらいの合算となりますので、
これもそれなりに大きな金額となります。

そして、この設備資金と運転資金の合計
額が起業に必要な資金となります。

では、この起業に必要な資金である起業
資金はどのようにして調達すればいいの
でしょうか。

 

起業資金の種類

 

起業資金の捻出方法は、大きく分けて以下
の三つになります。

自己資金

起業する際には、当然ある程度の自己資金
が必要になります。

自己資金は多ければ多いほどいいのですが、
全額が自己資金でなくても結構です。

ただし、自己資金が全くないと起業するこ
とはできません。

起業資金を銀行融資等で賄うにしても、ある
程度の自己資金は必要となります。

親類や友人からの援助

先ほど述べた自己資金だけでは起業資金を
調達できない場合には、親類や友人からの
資金援助を考えなくてはなりません。

しかし、いくら親兄弟や親しい友人とはいえ、
数十万円から数百万円にも上る起業資金を、
そう簡単に提供してくれるとは限りません。

そういった場合には、提供してくれた資金
に対して利息や配当金を支払う等、何らかの
インセンティブを付けて資金提供をお願い
をすることになります。

しかし、この利息や配当金も多額になってし
まうと、後々経営を圧迫してしまいますので、
自己資金とのバランスを考えなければなりません。

銀行融資

起業時に、銀行や信用金庫等の一般金融機関
に直接融資を申し込んでも、100%断られます。

といいますのも、一般の金融機関に直接融資
を申し込む場合には、過去2~3年分の自社
の確定申告書や決算書を提出し過去の業績を
開示しなければなりません。

しかし、当然、起業当初は過去の業績など
存在しません。

ということは、一般の金融機関が独自に融資
の可否を判断できる材料がないということに
なりますので、直接融資を申し込んでも100
%断られてしまうというわけです。

とはいえ、起業時に、金融機関からの融資は欠
かせないものです。

 

起業資金のための銀行融資の申し込み方

 

そこで、一般の金融機関からの融資が駄目
でも、他に融資を受けられる方法があります。

それは、日本政策金融公庫や信用保証協会
を活用した起業融資です。

日本政策金融公庫

まず、日本政策金融公庫についてですが、
この会社は国が100%を出資する国策金融
機関です。

ですので、この組織は国の意向を強く受け
ることになります。

現在、国は、経済活性化策の一つとして起業
支援を掲げています。

その一環として、日本政策金融公庫も起業
資金の融資に力を入れています。

日本政策金融公庫が行う起業資金の融資の
なかでのも「新創業融資制度」という起業
家向けの融資では、最大1,500万円まで無担
保・無保証人で融資が可能とされています。

通常、一般の金融機関であれば求められる
代表者の連帯保証が無いため、万が一会社
が倒産してしまった場合でも、代表者が融資
の返済を求められることはありません。

これは大きなメリットです。

一方で、日本政策金融公庫を利用した融資の
デメリットは、次に説明する保証協会を利用
した融資よりも、利息負担が重くなる場合が
多いということです。

利息の負担は2%台後半~3%台

融資実行までの期間については、日本政策
金融公庫の場合、融資の相談から実行まで、
大体1ヶ月くらいを目安に考えておきましょう。

(ただし、不動産等の担保を提供できる場合
には、2週間くらいで融資が実行される場合も
あります。)

信用保証協会

次に、信用保証協会を利用した起業資金の
調達についてご説明します。

信用保証協会は国の公的機関であり、起業家
や中小企業が金融機関から融資を受ける際、
保証人になってくれます。

金融機関としては、融資に保証協会の保証を
付けることで、融資の返済が滞った際のリスク
を軽減できるため、中小企業への融資の際に
は頻繁に利用されています。

この信用保証協会の制度を利用して、各都道
府県や市区町村等の自治体が独自に行ってい
る融資の斡旋制度があります。

この制度は、各自治体の斡旋により、起業家
や中小企業が、信用保証協会の保証付きで一般
の金融機関から融資を受けることができると
いう制度です。

各自治体は、域内での起業を促進することに
よって、雇用や税収の増加を期待することがで
きますので、利息や信用保証協会の保証料の
補てん等、様々な特典があります。

一方で、各自治体が独自に設けている制度です
ので、その内容はバラバラで、そもそもこのよ
うな制度が無い自治体もあります。

※2014年10月現在
東京都が行っている創業融資の斡旋は、
最大2500万円まで
利息の本人負担率は2%台

※2014年10月現在
新宿区が行っている創業融資の斡旋は、
最大2000万円まで
利息の本人負担率は0.7%台
また、保証協会の保証料の1/2を区が
補てんしてくれます。

各自治体が行う融資斡旋制度のデメリット
は、自治体と信用保証協会と金融機関の3者
が係るので、日本政策金融公庫の融資よりも
時間がかかるということです。

融資の相談から実行まで、大体2ヶ月
くらいを目安に考えておきましょう。

自己資金の必要性

どの銀行に融資を申し込むにしても、
自己資金がゼロでの起業というのは、
計画性が全くないとみなされて取り
合ってくれません。

したがって、起業に必要な資金のうち、
最低でも1/3は自己資金で準備するよ
うにしましょう。

起業資金の調達は、ビジネスを成功
させるための第一歩です。

それぞれの資金のメリットやデメリット
を考慮しながら計画的に進めましょう。

会計ソフトの導入

投稿日:2014年10月07日

1.会計ソフト導入のメリット
2.会計ソフト導入によるデメリット
3.会計ソフトを導入する時期
4.会計ソフト導入時に注意すべき事項

 

会計ソフト導入のメリット

 

一昔前までは、会計ソフトは高価で使い勝手
の悪いものでしたが、現在では安価で使いや
すいものが多数販売されています。

このような会計ソフトを導入することにより、
中小企業でも容易に会計ソフトを導入し、会社
内で会計を管理できるようになりました。

会計ソフト導入のメリット①
会計ソフトを導入することのメリットは、
まず、会社の業績をリアルタイムで把握で
きることです。

手書きの帳簿を作成して毎月の業績を把握
しようとすると、企業規模にもよりますが、
1週間から1ヶ月くらいの時間がかかります。

その点、会計ソフトでは、会計処理がある
程度自動化されていますので、リアルタイ
ムでの業績把握が可能です。

会計ソフト導入のメリット②
次に、会計ソフトの導入により会計および
税務業務が効率化されることにより、これ
まで会計および税務業務に費やされてきた
人件費や時間を削減できるメリットがあり
ます。

もちろん、会計ソフトの導入による効率化
のメリットは会社規模にもよりますが、
中小企業であっても会計ソフトの導入によ
る効率化のメリットは十分にあります。

会計ソフト導入のメリット③
さらに、会計ソフトの導入により業務の正
確性もアップします。

手書きであれば必然的に発生する書き間違
いや計算間違いは、会計ソフトではほとん
ど無くなりますし、万が一そのようなことが
発生したとしても、後からの修正が容易です。

会計ソフト導入のメリット④
青色申告を行っている個人事業主であれば、
会計ソフトを導入することにより複式簿記の
要件を満たすこととなりますので、青色申告
特別控除65万円の適用を受けることができ
ます。

 

会計ソフト導入によるデメリット

 

会計ソフトを導入することによるデメリッ
トは、入力した会計デ-タがPCの故障に
より消えてしまったり、消費税率の変更等
に伴って会計ソフトをバージョンアップす
る際に費用が発生するということです。

しかし、これらの問題点も会計データのバ
ックアップ体制を構築することや、バージョ
ンアップの際に若干の費用を支払うことによ
り解決することが可能です。

したがって、これらの問題点はそれほど大
きなデメリットではありません。

 

会計ソフトを導入する時期

 

会社設立1年目や会社設立準備中の方は、
設立第1期目から会計ソフトを導入した
ほうがいいでしょう。

また、会社設立後、既に決算を何度か経験
されている会社であれば、次の事業年度の
期首から会計ソフトを導入するのが一般的です。

しかし、会社設立後、何回か決算を経過し
ている会社でも、期の途中から会計ソフト
を導入することは可能です。

いずれの段階で会計ソフトを導入するにし
ろ、事前にある程度の準備が必要となります。

 

会計ソフト導入時に注意すべき事項

 

①会計ソフトの選び方
会計ソフトの導入時には、当然会計ソフト
を購入しなければなりません。

現在では、比較的安価な会計ソフトから、
高価な会計ソフトまで、様々な会計ソフト
が販売されています。

会計ソフトを選ぶ際、単に価格のみで選ん
でしまうと、後々使い勝手が悪かったり、
税制改正に対応したバージョンアップに
対応していなかったりと、様々な問題点が
発生してしまう可能性があります。

中小企業でよく使用されている会計ソフトは、
「弥生会計」(発売元:弥生)、
「JDL IBEX出納帳」(発売元:JDL)、
「財務応援」(発売元:EPSON)、
「freee」(発売元:freee)
等です。

これらの会計ソフトであれば、比較的安価で、
かつ、消費税率変更等の税制改正にも確実に
対応してくれます。

また、それぞれの発売元会社が、給与計算
ソフトや販売管理ソフト等を発売している
ため、それぞれのソフトを連動させること
により、より効率的な会計業務が可能とな
ります。

②会計ソフトの初期設定
会計ソフトは、パソコンにインストールすれ
ばすぐに使えるという訳ではありません。

会計ソフト導入時には、会計ソフトの各種
初期設定が必要となります。

具体的には、消費税や勘定科目、期首残高の
設定です。

特に勘定科目の設定については、会計ソフト
インストール時には数百個もの勘定科目が登
録されていますので、このまま使用すると
勘定科目を探し出すだけで大変な手間がかか
ってしまいます。

そうすると、会計ソフト導入のメリットであ
る会計業務の効率化が十分に達成できないた
め、この勘定科目を各会社に適した勘定科目
に整理して、会計業務を効率よく行えるよう
にしなければなりません。

③会計データのバックアップ
既に、会計ソフト導入のデメリットのところ
でも書きましたが、会計ソフトで入力した
会計データは、パソコン内に保存されている
ため、万一パソコンが壊れてしまった場合に
会計データも壊れてしまう可能性があります。

そこで、会計ソフトに入力したデータを何ら
かの形でパソコン以外の外部メディアにバッ
クアップしておいた方が安全です。

この外部メディアは、USBメモリー、外付け
HDD、CD、等何でも構いません。

また、税理士事務所と会計データのやり取り
を行っている場合には、税理士事務所で
会計データを保管しておいてもらうのが良い
でしょう。

 

このように、会計ソフトの導入は、会計ソフト
の選定と会計ソフト導入後の運用設定を考慮し
ながら進めましょう。

また、会計ソフトの入力は、手書きで会計
帳簿を作成するよりはかなり簡単ですが、
多少は簿記の知識が必要です。

当事務所では、会計ソフトのサポートと同時に、
簿記等の会計知識をサポートするプログラム
もありますので安心してご相談下さい。

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