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貸借対照表の見方

投稿日:2017年03月01日

1.貸借対照表とは
2.貸借対照表の見方
3.貸借対照表の5つのチェックポイント
4.貸借対照表の分析

 

貸借対照表とは

 

決算書のうち、損益計算書については以前、
その見方を解説させていただきましたので、
今回は貸借対照表の見方についてご説明さ
せていただきます。

損益計算書が各事業年度ごとの業績を表す
のに対して、貸借対照表は各事業年度末日
の財政状態を表します。

財政状態というのは、どういう種類の資産
や負債がどれくらいあるかということです。

この財政状態を把握することによって、
あなたの会社の安全性をチェックすること
ができます。

金融機関が融資を検討する際には、
損益計算書と同時に貸借対照表も必ず確認
しますので、貸借対照表も損益計算書と同
じくらい重要な書類になります。

 

貸借対照表の見方

 

一般的に、貸借対照表は下記のような様式
になっています。

決算書(貸借対照表)

貸借対照表

表の左上から順番に解説していきます。

「流動資産700」は、資産のうち1年以内
に現金化できる資産で、その内訳は「現金・
預金300」「商品200」「売掛金200」とな
っています。

また、「固定資産300」は、資産のうち長期
に渡って保有するもので、その内訳は「機械
200」「車両100」となっています。

左側一番下の「資産合計1,000」というのは、
期末時点であなたの会社が保有していた資産
の総額になります。

貸借対照表には、期末時点で会社が保有して
いる全ての資産と負債が載っていますので、
どの資産にどれくらいの資金を投下しているか、
および、それら投下した資金が効率的に運用さ
れているかを確認することができます。

次に、右上の「流動負債200」というのは、
負債のうち1年以内に返済期限が到来する負債
で、その内訳は「買掛金100」「支払手形100」
となっています。

また、「固定負債200」は、負債のうち返済期限
が1年以上先になる負債のことで、その内訳は
「長期借入金200」となっています。

その下の「負債合計400」というのは、期末時点
であなたの会社が保有していた負債の総額になり
ます。

やはり、今後返済していかなければならない
負債がどれくらいあるのかというのも会社経営
にとって重要な要素です。

さらに、その下の「資本金500」は、会社設立
時に拠出されたり、会社設立後に追加で増資さ
れた金銭の額になります。その下の「利益剰余金
100」は、会社設立後その会計期間の末日までに
会社内に留保されてきた会社の利益(または損失
)になります。

その下の「純資産合計600」というのは、資産
合計から負債合計を差し引いたもので、期末現在
会社にどれくらいの純資産があるかを示すものです。
純資産合計=資産合計-負債合計

金融機関からの融資を検討している場合には、
最低でもこの純資産額をプラスにしておきたいものです。

 

貸借対照表の5つのチェックポイント

 

貸借対照表の簡単なチェックポイントを5つ
挙げておきたいと思います。

  1. ○純資産合計
  2. ○売掛金
  3. ○商品
  4. ○固定資産
  5. ○その他の科目

 

○純資産合計
上述しましたが、金融機関からの融資を検討
している場合には、純資産合計はプラスにして
おきましょう。

純資産合計は、「純資産合計=資産合計-負債
合計」という算式で計算しますので、純資産が
マイナスということは会社の資産よりも負債の
方が多いということになります。

金融機関としても、債務超過状態の会社に対
する融資はかなり厳しく対応せざるを得ません。

○売掛金
売掛金等の売上債権は、業種にもよりますが、
月間売上高の1~2か月分が一般的な金額です。

それ以上の金額が計上されている場合には回収
不能の売掛金、つまり不良債権の有無をチェック
しましょう。

○商品
商品等の棚卸資産も売掛金と同様、月間仕入高
の1~2か月分が一般的な金額です。

それ以上の金額が計上されている場合には不良
在庫の有無をチェックしましょう。

○固定資産
固定資産は、購入してから数年間にわたり減価
償却費として経費を計上していきます。

しかし、「業績が悪くなるから」と減価償却を
しないでいると、その分毎期の経費が減少して
見かけ上の利益を計上することができます。

しかし、このような方法で見かけ上の利益を
計上したとしても、これは正常な利益ではあ
りません。

なるべく、毎期きちんと減価償却を行うよう
にしてください。

○その他の科目
その他の科目で不透明な科目がないかチェック
します。

不透明な科目というのは、例えば「役員貸付金」
や「仮払金」は要注意です。

なぜならこういった科目は、様々な経費を支払
った際に「役員貸付金」や「仮払金」として処理
して、経費計上を隠すために使われることがある
ためです。

「役員貸付金」や「仮払金」以外にも不透明な
科目はなるべく使わないようにしましょう。

 

貸借対照表の分析

 

最後に、貸借対照表の簡単な分析方法を2つ
ほどご紹介します。

○自己資本比率
自己資本比率=純資産合計÷資産合計

この自己資本比率は、その会社の事業を行う
ための様々な資産(例えば、商品や製品、建物、
機械、売上債権、等)が、どれくらい自己資金
で賄われているかを確認するためのものです。

業種にもよりますが、この比率が40%以上あ
れば良いとされています。

○流動比率
流動比率=流動資産÷流動負債

この流動比率は、1年以内に支払わなければ
いけない「流動負債」に対して、現金・預金
及び1年以内に現金化できる「流動資産」を
どれくらい保有しているかを確認するための
ものです。

この比率が100%以上あれば最低限はクリアー
ですが、120~130%くらいあれば良いですね。

年末調整

投稿日:2016年11月25日

1.年末調整とは
2.年末調整の対象者
3.年末調整書類の書き方

 

年末調整とは

 

今年も11月となり、年末調整の季節になり
ました。

年末調整の用紙が入ったA4版封筒が会社に
も届いていると思います。

さて、この毎年恒例の年末調整。

何のためにやるのかといえば、給与をもらっ
ている役員や従業員がその年の所得税を清算
するためです。

毎月のお給与からは、支給時に社会保険料や
所得税が差し引かれています。

しかし、税金は年単位で計算されるため、
毎月差し引かれている所得税は概算金額で
しかありません。

そのため、年末調整を行うことにより年間の
所得税を計算し、毎月概算で差し引かれてい
る所得税との差額を、還付または徴収してその
年の税金を清算するのです。

 

年末調整の対象者

 

基本的に、年末時点で勤務している役員や従
業員は全員年末調整の対象となります。

また、年の中途で死亡した方や、12月分給与
の支払いを受けた後退職する人についても
年末調整を行う必要があります。

※年末調整から除外される人
以下の人については年末調整を行うことがで
きませんので、各人で確定申告する必要があり
ます。

1.その年の「給与所得者の扶養控除等(異動)
申告書」を提出していない人

2.その会社から支給される年間の給与金額
が2,000万円を超える人

3.非居住者(外国人等の短期滞在者)

 

年末調整書類の書き方

 

年末調整の時期に役員や従業員に記入しても
らう書類には、以下の3種類のものがあります。

1.「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
(以下、「扶養控除申告書」といいます)

2.「給与所得者の保険料控除申告書 兼
   給与所得者の配偶者特別控除申告書」
(以下、「保険料控除申告書」といいます)

3.「給与所得者の(特定増改築等)住宅
借入金等特別控除申告書」
(以下、「住宅ローン控除申告書」といい
ます)

会社としては、以上の書類を年末調整の時期
に全役員および従業員に配布、記入してもらい、
回収した書類の内容を確認して年末調整を行
うといった手順で年末調整を進めていきます。

1.「扶養控除申告書」

「扶養控除申告書」は、年末調整の時期にな
ると、基本的に在職する役員や従業員全員に
記入してもらいます。

この「扶養控除申告書」を提出することに
より、毎月の給与から差し引かれる所得税が、
通常税率となります。

逆に言えば、この「扶養控除申告書」を提出
しないと給与から差し引かれる所得税が割高
になってしまいます。

※2ヵ所以上の勤務先から給与をもらってい
る役員や従業員の場合、いずれか一つの勤務
先にしか「扶養控除申告書」を提出すること
ができません。したがって、既に他方の勤務
先に「扶養控除申告書」を提出済みの場合に
は、もう一方の勤務先に「扶養控除申告書
」を提出することはできません。

「扶養控除申告書」には、年末調整にあたっ
て主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印
②控除対象配偶者や扶養親族
③本人や②の親族が障害者等に該当する
場合にはその旨

2.「保険料控除申告書」

「保険料控除申告書」は、年末調整で控除す
ることが可能な、国民年金や国民健康保険料、
小規模企業共済、生命保険料、地震保険料、
等の控除を受ける際に必要となります。

また、配偶者特別控除を受ける際にもこの
用紙を提出する必要があります。

逆に言えば、控除できる保険料や年金を支払
っていなければ提出する必要はありません。

「保険料控除申告書」には、年末調整にあた
って主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印
②国民年金、国民健康保険料、小規模企業共済、
生命保険料、地震保険料、等の支払金額
(国民健康保険料以外は控除証明書を提出する
必要があります)
③配偶者特別控除額の計算

3.「住宅ローン控除申告書」

「住宅ローン控除申告書」は、年末調整で
控除することが可能な住宅ローン控除の適
用を受ける場合に必要となります。

逆に言えば、控除できる住宅ローン控除が
無ければ提出する必要はありません。

「住宅ローン控除申告書」には、年末調整
にあたって主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印
②住宅ローン残高(金融機関の住宅ローン
残高証明書を提出する必要があります)
③住宅やその敷地の取得価格

会社としては、以上1~3の書類の内容を
確認し、控除証明書等の添付書類が揃って
いることを確認して下さい。

そのうえで年末調整を行い、毎月の源泉徴収
税額との差額を還付または徴収してください。

給料の源泉徴収

投稿日:2015年05月11日

1.給料の源泉徴収義務
2.給料の源泉所得税の納税義務者
3.給与所得の扶養控除等(異動)申告書
4.給料の源泉徴収税額表
5.「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合
6.源泉徴収した所得税の納付期限

 

給料の源泉徴収義務

 

何か事業を行う場合、給料に関する知識
は欠かせません。

従業員の給料の決め方に始まり、
毎月の給料計算、給料明細書の作成、給料の振込、
そして、毎年の給料の昇給、給料の年末調整、等々、
給料に関する業務は多岐にわたります。

会社を経営している場合には、当然、役員
報酬や従業員の給料を支払うことになりますし、
個人事業主の方でも従業員やアルバイトを雇用
した場合には給料を支払うことになります。

給料を支払う際に注意しなければならな
いのが所得税の源泉徴収です。

所得税の源泉徴収とは、給料を支払う際に、
その給料にかかる所得税を、給料の支払者で
ある会社や個人事業主が徴収し税務署に納
付するという制度です。

 

給料の源泉所得税の納税義務者

 

役員報酬や給料を支払っていて、所得税を
源泉徴収する必要のある会社や個人事業主
のことを源泉徴収義務者と言います。

源泉徴収義務者は、役員や従業員に支払う
給料から所得税を源泉徴収(控除)し税務署
に納付する義務を負うことになります。

 

給与所得の扶養控除等(異動)申告書

 

では、給料を支払う際に源泉徴収しなければ
いけない所得税はいくらなのでしょうか。

これは、その給料を受給する役員や従業員が、
「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を
源泉徴収義務者である会社や個人事業主に提出
しているか否か、また、配偶者や扶養親族の
人数により変わってきます。

「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」とは、
給料の支払いを受ける役員や従業員が、配偶者
控除や扶養控除、障害者控除等の各種所得控除
を受けるために、源泉徴収義務者である会社や
個人事業主に提出しなければならない書類です。

したがって、給料の受給者がこの「給与所得の
扶養控除等(異動)申告書」を提出していないと、
各種所得控除を受けることはできません。

この、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
は、毎年、その年の最初の給料の支給日の前日ま
でに、源泉徴収義務者に提出しなければなりません。

また、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
は、原則として1人1枚しか提出することができません。

どういうことかと言いますと、一人で2つ以上の
会社で勤務している方は、そのうちのいずれか1社
にしか提出できないということです。

この、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
を提出することにより、次に説明する「源泉徴収
税額表」の「甲」欄で、源泉徴収する所得税額を
計算することができます。

 

給料の源泉徴収税額表

 

給料から源泉徴収しなければいけない所得税額は、
国税庁が発行している「源泉徴収税額表(平成27年版)」
を見て確認することになります。

源泉徴収税額表(平成27年版)

表の見方は、給料額面金額から社会保険料
(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、
等の合計)を差し引いた金額を「その月の
社会保険料等控除後の給与等の金額」欄に
当てはめ、あとは、「扶養親族等の数」に
より税額を求めます。

たとえば、月給給料30万円、社会保険料4万円、
扶養親族等の数が2人(妻と子供1人)の方であれば、
「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」
欄の「260,000以上263,000未満」のところを見ます。

扶養人数が2人なので、「扶養親族等の数」2人
のところを見ると税額が3,730円となっていま
すので、この税額を給料から控除します。

源泉徴収税額表(平成27年版)

源泉徴収税額表

この人の給料明細を簡単に例示すると以下のよう
になります。

(例)給料明細
給料(額面)300,000円
社会保険料 ▲40,000円
源泉所得税  ▲3,730円
差引支給額  256,270円

 

「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合

 

他に主たる勤務先がある等の理由で、役員や従業員が
「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出し
ない場合には、源泉徴収義務者は「源泉徴収税額表」
の「乙」欄で所得税を源泉徴収しなければなりません。

この場合、税額表を見てもわかるように「甲」欄に
比べてかなり高い税額設定になっています。

したがって、複数の会社で勤務している会社員は、
各会社から給料の源泉徴収票を発行してもらい
確定申告を行うことにより、年間の所得税を清算
することになります。

 

源泉徴収した所得税の納付期限

 

給料から源泉徴収した所得税は、原則として、
給与などを実際に支払った月の翌月10日まで
に税務署に納めなければなりません。

納付が遅れると、不納付加算税や延滞税等の
加算税が課せられますので、ご注意ください。

また、この納税の際に使用する税金の納付書は、
「給与所得、 退職所得等の所得税徴収高計算書」と
いうもので、これは税務署でもらうことができます。

しかし、「使用する従業員が10人未満」である場合には、
給料から源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納める
ことができる特例があります。これを「源泉所得税の納期
の特例」といいます。

この特例を受けていると、納付時期は以下のようになります。
1~6月に支払った役員報酬や給料等については、
7月10日までに納付。
7~12月に支払った役員報酬や給料等については、
翌年1月20日までに納付。

この特例を受けるには、税務署に「源泉所得税
の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しな
ければなりません。

また、この特例は、申請書を提出した月からではなく、
その翌月 以降の役員報酬や給料等の支払いから適用
されますのでご注意ください。

交際費と会議費

投稿日:2014年12月17日

1.交際費とは
2.会議費とは
3.個人事業主と交際費
4.交際費と税務調査
5.交際費と会議費
6.社内の者だけでの飲食

 

交際費とは

 

交際費とは、「自社の取引先(得意先や仕入先)
に対して、接待、慰安、贈答、等を行うため」に
支出する費用のことです。

この交際費ですが、法人税を申告するうえで
どのくらい経費として認められるかは、その時
の経済・財政状況によって頻繁に変わります。

現在、中小企業(資本金1億円未満の会社)
の場合、交際費のうち下記1か2のいずれか
多い金額まで法人税法上の経費とすること
が可能です。
1.交際費の合計金額のうち年間800万円
2.取引先との飲食に使った交際費の50%
(※2014年12月時点)

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の
場合、上記1は認められず2の金額までし
か交際費として認められません。

 

会議費とは

 

自社の役員や従業員のみ、または、社外の
取引先を交えて行った打合せや会議で、そ
の打合せや会議の際に提供される飲食物が
通常の昼食程度のものである場合には、その
飲食費は会議費になります。

 

個人事業主と交際費

 

個人事業主の場合、支出した交際費の全額が
経費として認められます。

したがって交際費という点から見れば、税務上、
法人よりも個人事業主の方が有利ということに
なります。

しかし、個人事業主の場合にも、交際費の原則
である「自社の取引先(得意先や仕入先)に対
して、接待、慰安、贈答、等を行うため」の支出
という点は変わりありませんのでご注意ください。

 

交際費と税務調査

 

中小企業の場合、交際費として認められるのは、
年間800万円または飲食に使った交際費の50%
のいずれか大きい金額までです。

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の場合、
交際費として飲食に使った金額のうち50%まで
しか経費として認められません。また、飲食費
以外の交際費は全く認められません。

したがって、本来交際費に該当するはずの支出を、
会議費等の他の科目に置き換えて経費にしてしま
うようなことが行われがちです。

しかし、このようなことは税務署もお見通しです
ので、税務調査の際には、本来交際費に該当する
支出が会議費等の他の科目に含まれていないか
調べることがあります。

また、中小企業や個人事業主でも交際費の
税務調査は行われます。

これは、本来交際費にも会議費にも該当し
ないはずの、仕事とは関係の無い家族旅行
や友人との飲食が交際費として計上されて
いないかどうか確認するためです。

 

交際費と会議費

 

取引先との懇親を目的とした飲食費は、原則として
交際費になります。

しかし、このうち一定の範囲内の飲食については
会議費として処理することが認められています。

その一定の範囲内とは、「一人あたりの金額が
5,000円以下の飲食費」です。

たとえば、自社の役員と従業員および取引先の
従業員2名の合計4人で行った飲食については、
合計金額が20,000円以下であれば、交際費では
なく会議費として処理することができます。

なお、この「一人あたりの金額が5,000円以下
の飲食費」を会議費として処理するには、これら
飲食の事実がわかる領収書とともに、以下の事項
を記載した書類を作成して保管しておかなければ
なりません。

1.飲食の年月日
2.飲食に参加した者の氏名または名称とその関係
3.飲食に参加した人数
4.飲食の合計金額と1名あたりの金額
5.店名とその所在地
6.その他参考となるべき事項

 

社内の者だけでの飲食

 

先程の、「一人あたりの金額が5,000円以下の
飲食費」を会議費として処理することができる
のは、取引先等の社外の人と飲食した場合に限
られています。

社内の者だけで仕事の打合せ等のために飲食した
場合には、原則通り、その飲食が会議費の範囲内
のものであれば会議費となり、範囲外の飲食費
は交際費となります。

また、当然ですが、仕事と関係の無い飲食は会社
の経費とすることができません。このような場合、
その飲食にかかった金額は、飲食した者に対する
役員賞与または給与として処理されることになります。

支払調書の作成

投稿日:2014年11月29日

1.支払調書とは
2.支払調書の種類
3.各支払調書の作成
4.給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

支払調書とは

 

たとえば、外注先の個人事業主やフリーランス
の方へ報酬を支払う際には、支払者が支払金額
の10.21%(源泉所得税10%+復興特別所得税
0.21%)の所得税を源泉徴収して支払います。

このように、個人事業主やフリーランスの方へ
報酬を支払って源泉徴収を行った場合には、
その支払先や支払金額、源泉徴収税額等を
記載した書面を作成し税務署に提出しなけ
ればなりません。

この書面のことを支払調書といいます。

 

支払調書の種類

 

支払調書の種類は「報酬、料金、契約金及び
賞金の支払調書」をはじめとして何十種類
(ざっと数えただけでも60種類)もあります。

しかし、一般的な会社が作成する可能性の高い
支払調書は下記の6種類のみです。これらの
支払調書は、支払の都度作成するのではなく
年度(1~12月)ごとにまとめて作成します。

1.給与所得の源泉徴収票
2.退職所得の源泉徴収票
3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
4.不動産の使用料等の支払調書
5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

以下で順番に説明していきます。

 

各支払調書の作成

 

1.給与所得の源泉徴収票
もっとも一般的なものが「給与所得の源泉徴収票」
になります。これは、自社の役員や従業員に給料
を支払った場合に作成しなければなりません。

給与所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
各種所得控除の情報

2.退職所得の源泉徴収票
最近は退職金制度を導入している会社も少なく
なりましたが、退職金を支給する会社ではこの
「退職所得の源泉徴収票」を作成しなければな
りません。

退職所得の源泉徴収票

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
勤続年数

3.報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
外注先の個人事業主やフリーランスの方へ報酬
を支払う際には、支払者が支払金額の10.21%
(源泉所得税10%+復興特別所得税0.21%)
の所得税を源泉徴収して支払います。

個人事業主やフリーランスの方へ報酬を支払っ
た場合には、支払調書を作成しなければなり
ません。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

(主な記載事項)
支払を受ける者の住所と氏名
支払金額および源泉徴収税額
報酬の種類

4.不動産の使用料等の支払調書
事務所や店舗、駐車場等の不動産を賃貸によ
り使用している場合には、その支払内容を
記載した支払調書を作成しなければなりま
せん。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産の使用料等の支払調書

(主な記載事項)
賃料の支払を受ける者の住所と氏名
賃貸物件の所在地
支払金額

5.不動産等の譲受けの対価の支払調書
土地や建物等の不動産を購入した場合には、
その購入内容を記載した支払調書を作成し
なければなりません。

ただし、購入金額が100万円以下のものにつ
いては支払調書を作成する必要はありません。

不動産等の譲受けの対価の支払調書

(主な記載事項)
購入代金の支払を受ける者の住所と氏名
購入物件の所在地
支払金額

6.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書
土地や建物等の不動産を売買または賃貸した
場合、仲介を行った不動産業者に対して仲介
手数料を支払います。この仲介手数料を支払
った場合には支払調書を作成しなければなり
ません。

ただし、同一の者に対する1年間の支払金額
が15万円以下のものについては支払調書を
作成する必要はありません。

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

(主な記載事項)
仲介手数料の支払を受ける者の住所と氏名
売買金額や賃貸料
仲介手数料の金額

 

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

 

「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
とは、上述した支払調書1~6をまとめたA4版
の書類になります。この書類には、各支払調書
に記載された金額や人数を合計して記載します。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表

この「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
は、毎年1月31日までに、前年分(1~12月)につ
いて記載したものを提出しなければなりません。

また、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」
を提出する際に、上述した支払調書1~6を添付して
提出しなければなりません。

詳しくは、
「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方」
をご覧ください。

給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の書き方

法人化のメリット

投稿日:2014年11月13日

1.法人化による4つのメリット
2.法人化の3つのデメリット
3.一人事業の法人化と税金
4.二人以上の事業の法人化と税金

 

法人化による4つのメリット

 

現在、個人事業主として事業を行っている
方が、法人化した場合には、どのような
メリットがあるのでしょうか。

法人化によるメリット1(信用)
取引先が上場会社等の場合、個人事業主で
は取引してもらえない場合があります。
同様に、インターネットショッピングモールへ
の出店も個人事業主では困難な場合があります。

このような場合には、それらの会社と取引
を行えるように、現在行っている個人事業を
法人化する必要があります。
また、求人募集の際にも、法人の方が信用度
が高いと思われる傾向があります。

法人化によるメリット2(有限責任)
個人事業主の場合、債務はすべて返済しないと
いけません。
一方、株式会社や合同会社の場合、株主は出資
の範囲内で責任を負うという有限責任が採用さ
れています。

有限責任とは、会社の債務はあくまで会社の
債務ですので、その債務を会社の株主が返済
する必要は無いということです。株主は、会
社設立時または増資時に出資した金額以上に
債務を負うことはありません。

法人化によるメリット3(青色欠損金)
個人事業主の場合、青色欠損金は3年間繰越
して、その後の利益と相殺することができます。
一方、法人の場合、青色欠損金は9年間繰越
すことが可能です。

※青色欠損金とは、ある事業年度に損失が出た
場合、その後の事業年度の利益と相殺できる
という制度です。この損失を繰越せる期間が、
個人と法人で異なるのです。
もちろん、繰越せる期間が長い方が有利です。

法人化によるメリット4(税金)
個人事業主と法人では、税金の計算方法が
全く異なるため、収入金額にもよりますが
節税することが可能となります。

 

法人化の3つのデメリット

 

法人化によるデメリット1(費用)
法人の設立や維持に費用がかかります。
会社の設立費用は、株式会社であれば
約25万円、合同会社であれば約9万円、
くらいです。

また、個人事業主の場合、利益が出て
いなければ税金がかかりません。
一方、法人の場合、利益が出ていなく
ても年額7万円の税金がかかります。

法人化によるデメリット2(経理)
個人事業主の場合、白色申告であれば
簡単な会計帳簿を付ければ良いことに
なっています。
一方、法人の場合、複式簿記の原則に
従って会計帳簿を付けなければなりません。

法人化によるデメリット3(社会保険)
個人事業主の場合、従業員が4人以下
であれば社会保険への加入は任意です。
一方、法人の場合、社長一人の法人で
あっても社会保険に加入しなければな
りません。

現在、年金の支給開始年齢は65歳ですが、
将来的に68歳や70歳まで引き上げられる
可能性が高くなっています。

高額な厚生年金保険料(2014年11月現在:
会社と給料の受給者の負担分を合わせて、
給料の17.47%が保険料)を支払っても、
将来的にその年金を何年間受給できるのか
考えると、個人事業主が加入する国民年金
でも十分かなと、個人的には思います。

あとは、国民年金基金に加入する等、
個々の自助努力で老後に備えた方が
賢い方法かもしれません。

※ちなみに、先ほどの厚生年金保険料
17.47%に、一般的な中小企業が加入
する全国健保協会の健康保険料率(
2014年11月現在[東京都]:会社と給料
の受給者の負担分を合わせて、給料の
11.69%が保険料)を加えると29.16%
の保険料となり、かなり高額の社会保険
料の負担となります。

 

一人事業の法人化と税金

 

個人事業主として、奥様やお子様と一緒
に事業を行っている場合であれば、その
奥様やお子様に青色事業専従者給与とい
う給料を支給することができます。

結果として、所得の分散効果で、家族
全体としての税金は少なくなります。

しかし、一人で個人事業を行っている場合、
家族に青色事業専従者給与を支払うという
ことができません。

事業の所得は、全て個人事業主本人の所得
として課税されますので、結果として税金
が多くなってしまいます。

このような場合には、個人事業主の所得が
900万円を超えた時点で法人化を考えた方
がいいです。

理由は簡単で、所得税よりも法人税の方が低
くなるためです。

個人の場合、所得が900万円を超えた時点
で、所得税と住民税を合わせた税金の負担率
が43.69%となっています。

※2014年11月現在(以下同様)

法人の場合は、最も税率が高い800万円超の
法定実効税率でも35.64%となっています。

「所得税43.69%>法人税35.64%」
もちろん税率が低い方が有利なので法人税の方
が有利となります。

一方、個人事業主の所得が900万円以下の場合
、所得税と住民税を合わせた税金の負担率は
33.48%となります。

これだと、法人の最も高い800万円超の法定実効
税率35.64%と比べて所得税の方が低くなってい
ます。

「所得税33.48%<法人税35.64%」
この場合には所得税の方が有利になりますので、
個人事業主のままでいた方が良いということに
成ります。

法人化した場合の役員報酬の設定金額でも税額
は大きく変わりますが、ザックリと、個人事業主
で1000万円を超える所得がある人は法人化を
考えた方がいいでしょう。

あとは、法人化のデメリット3(社会保険)で
書きましたように、社会保険の加入による保険料
の負担増をどのように考えるか、という問題に尽き
ると思います。

 

二人以上の事業の法人化と税金

 

一人事業の法人化のところで既に書きましたが、
奥様やお子様と一緒に事業を行っている場合で
あれば、その奥様やお子様に青色事業専従者給与
という給料を支給することができるため、所得の
分散効果で、家族全体の税金が少なくなります。

このような二人以上の事業の場合、個人事業主で
あっても、家族に青色事業専従者給与を支払うこ
とにより家族全体の税金が少なくなるため、税金
に限って言えば、法人化するメリットは薄まると
考えていいでしょう。

したがって、二人以上の事業の場合、一人事業の
場合よりも所得が多くないと、法人化による節税
効果は期待できないということになります。

一方で、青色事業専従者給与を家族に支払うこと
ができるとはいえ、無制限に認められているわけ
ではありません。

あくまで、その親族の働きに見合った部分が給料と
して認められるだけですので、青色事業専従者給与
の金額には限度があります。

個人事業主の奥様が事業を手伝っていて、年額360万円
(月給30万円)の青色事業専従者給与を支払っている
場合、個人事業主本人の所得1,000万円と合わせて、
1,360万円の所得になれば、法人化を考えた方がいい
でしょう。

これに、さらにお子様が加わった場合、お子様の
青色事業専従者給与も加算した所得で、法人化の
有利不利を検討します。

このように、二人以上の事業の法人化は、個人事業主
本人の所得プラス青色事業専従者給与の合計額で法人化
の有利不利を検討します。

あとは、一人会社の法人化の場合と同様、社会保険
の加入による保険料の負担増をどのように考えるか、
という問題に尽きると思います。

役員報酬の変更

投稿日:2014年11月01日

1.役員報酬の種類
2.役員報酬の変更時期
3.役員報酬の期中変更

 

役員報酬の種類

 

会社は役員に対して役員報酬を支払います。

その役員報酬は、会社が自由に決めて良い
ことになっています。

しかし、税務上では、一定の条件に当て
はまる役員報酬のみ経費として認められ
ることになっています。

その理由は、役員報酬を変更することに
よって、会社の利益を調整することを防止
するためです。

税務上、会社の経費にならないと判断され
た役員報酬がどのように取り扱われるかと
いうと、以下のようになります。

1.会社の経費にならないため、会社の利益
が増える。結果として、会社の法人税が増
えます。

2.支払われた役員報酬は、役員個人の収入
になるため、役員に所得税や住民税が課税
されます。

このように、役員報酬が税務上の経費になら
ないと判断された場合には、会社と役員個人
の両方にダブルで税金が課税されてしまいます。

役員報酬の金額を変更する場合は、この点に
注意して変更するようにしましょう。

では、どのような役員報酬であれば税務上
の経費として認められるのでしょうか。

税務上の経費として認められる役員報酬は
次の3つしかありません。

①定期同額役員報酬
1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給する
役員報酬で、毎月の支給額が同じ額である
役員報酬を言います。
(たとえば、6月~翌年の5月までの1年間、月額50万円ずつ支給)

②事前確定届出役員報酬
あらかじめ税務署に届出ておいた金額を
所定の時期(たとえば、6月と12月に
100万円ずつ支給)に支給する役員報酬
で、その定めに基づいて支給する役員報酬
のこと。
役員に賞与的な支給を行いたい場合などに、
事前確定届出役員報酬として定めておきます。

③利益連動型役員報酬
会社の利益に連動して支払う役員報酬です。
しかし、対象となる法人が上場会社等の
大企業に限定されているため、一般の中小企業
では認められていません。

もちろん、①と②を組み合わせたりして
役員報酬を設定することも可能です。

①の定期同額役員報酬は、ほぼ全ての会社
が採用している最も一般的な役員報酬です
ので、今回はこの定期同額役員報酬の変更
についてみていきたいと思います。

 

役員報酬の変更時期

 

既に書きましたように、税務上では一定の
条件に当てはまる役員報酬のみ経費として
認められることとなっています。

その条件に当てはまる定期同額役員報酬は、
原則として期中に金額を変更することがで
きません。

この場合の期中というのは、ある定時株主
総会から次の定時株主総会までの間という
意味です。

もし期中に定期同額役員報酬を変更すると
、変更した部分の金額が経費として認めら
れなくなってしまいます。

たとえば、3月決算の会社であれば、
株主総会は通常5月中頃に開かれます。

役員報酬の変更は株主総会の翌月からとい
う会社がほとんどですので、6月支給分の
役員報酬から金額変更するということにな
ります。

つまり、役員報酬の変更は、通常、会社の
決算月の3ヶ月後の支給分からというこ
とになります。

そして、6月から支給を開始した役員報酬
は、翌年の5月までの1年間変更してはいけ
ないということです。

たとえば、6月から月額50万円で支給を
開始した役員報酬を、8月に月額80万円
に増額変更した場合、8月~翌年5月まで
の300万円(変更月額30万円×10ヶ月)
は会社の経費として認められなくなります。

同様に、6月から月額50万円で支給を開始
した役員報酬を、8月に月額30万円に減額
変更した場合、6月~7月に支給していた
月額50万円のうち減額変更後との差額40
万円(変更月額20万円×2ヶ月)は会社の
経費として認められなくなります。

しかし、会社の利益調整を防止するためと
はいえ、期中の役員報酬の変更が全て認め
られないとすると、不都合な場合が発生す
るため、利益調整の恐れが無い場合に限って
期中での役員報酬の変更が認められています。

 

役員報酬の期中変更

 

役員報酬の期中での変更が認められる
ケースは、以下のような場合です。

1.取締役から代表取締役への変更等、
役員としての区分が変更になったこと
による役員報酬の変更。

2.役員が怪我や病気のため業務を行う
ことができなくなったため、その業務
を行うことができなくなった期間の
役員報酬を減額変更した場合。

3.社員や会社の法令違反等があり、
その責任を取る形で役員報酬を減額
変更する場合。

4.会社が合併や分割を行った場合で、
その会社の両方から役員報酬の支給
を受けている場合。

5.会社の業績が著しく悪化したことに
より、第三者(株主や銀行、取引先、等)
との関係上、役員報酬を減額変更せざる
を得ない場合。

上記の5つのケースに当てはまる場合、
役員報酬の変更は可能ですが、その変更
の原因となった理由を後々説明できるよ
うに、株主総会議事録や取締役会議事録
を準備しておきましょう。

また、5.の「会社の業績が著しく悪化した
こと」を理由とする役員報酬の減額変更は、
第三者である株主や銀行、取引先、等との
関係で役員報酬を変更したということがわ
かるような書類を何か準備しておきましょう。

いずれにしろ、役員報酬の変更は一歩間違え
ると経費として認められなくなりますので
慎重に行いましょう。

役員報酬の決め方

投稿日:2014年09月05日

1.役員報酬とは
2.税務上の役員報酬
3.役員報酬の金額
4.役員報酬の税金と社会保険料

 

役員報酬とは

 

会社は、従業員に給料を支払いますが、
それと同様に役員にも給料を支払わなけ
ればなりません。

この役員に支払う給料のことを役員報酬
といいます。

役員報酬の決め方には一定のルールがあります。

まず、株式会社の場合も同族会社の場合
も、定款に役員報酬の決め方が記載され
ていれば、その方法に従って役員報酬を
決定します。

株式会社で、定款に役員報酬についての
記載が無い場合、毎年の定時株主総会で
役員報酬の大枠(例:取締役報酬総額
年間1億円)を決めます。その後、
取締役会で各役員に支払う具体的な
金額を決めます。

取締役役会を設置していない株式会社
の場合には、取締役の話し合いにより
決定します。

合同会社で、定款に役員報酬についての
記載が無い場合、社員又は業務執行社員
による話し合いにより決定します。

起業したての会社であれば、役員は社長
一人、もしくは社長と奥様等の親しい親族
のみでしょうから、自分たちで自由に
役員報酬を決めても問題ありません。

 

税務上の役員報酬

 

役員報酬は、株主総会や社員総会で自由に
決めていいとはいったものの、一つ注意し
なければいけない点があります。

それは、役員報酬の金額を期中に増減させ
てはいけないということです。

理由は、期中に役員報酬を増減させてしま
うと経費として認められなくなってしまう
からです。

この場合の期中というのは、ある定時株主総会
から次の定時株主総会までの間という意味です。

税務上、なぜこのようなルールがあるのか
というと、答えは簡単で、期中に役員報酬
を増減して会社の利益を調整するのを防止
するためです。

たとえば、決算近くになって会社に大きな
利益が出ている場合には、役員報酬を増額
し法人税の額を減らしたり、逆に、会社が
赤字になりそうな場合には、役員報酬を
減額したりというような感じです。

役員報酬と会社の利益の関係は以下のよう
になります。

①役員報酬を上げる
会社の法人税は減りますが、会社が赤字に
なる可能性もあります。また、役員報酬
を上げることにより社長個人の所得税は
増加します。

②役員報酬を下げる
会社の利益は増えますが、法人税も増加
します。また、役員報酬を下げることによ
り社長個人の所得税は減少します。

したがって、毎年の定時株主総会で
役員報酬を決定する際には、当期の利益
を予測して、それに沿った形で役員報酬
を決定しないと、後々、法人税が多額に
かかったり、逆に会社が赤字になって
銀行から融資が受けられなくなったり
といった事態に陥ってしまします。

毎期の利益予測が困難な起業当初は、
自分と家族が生活できる分を役員報酬に
しておくというのも良いかもしれませんね。

 

役員報酬の金額

 

以上にみてきた、役員報酬の金額設定
方法を総合すると以下のようになります。

①独立起業時
起業後1~2は赤字になることが多く、
また、利益予測が困難であるため、
自分と家族が生活できる金額を役員報酬とする。

②ある程度利益が予測できるようになったら
起業後3~4年程度が経過し、当期利益
の金額が予測できるようになったら、
利益金額を基に役員報酬を決定する。

③期中には役員報酬を増減させない

 

役員報酬の税金と社会保険料

 

また、役員報酬を決める際には、税金以外
に考えなければいけない重要なことがあります。

それは、社会保険料です。
たとえば、社長本人が40代、扶養2人(妻と子)、
役員報酬月額48.5万円(年額582万円)の場合、
会社負担分と自己負担分を合わせた社会保険料
の金額は以下のようになります。

健康保険料   (月額)58,450円
厚生年金保険料 (月額)85,600円
合計      (月額)144,050円
(平成25年11月現在の保険料率で計算)

これを年額に直すと
(月額)144,050円×12ヶ月=
(年額)1,728,600円

一方、社長個人の税金は以下のようになります。

所得税(年額)114,100円+住民税(年額)228,000円=
(年額)342,100円

役員報酬の金額にもよりますが、
このように、税金よりも社会保険料
の負担の方が大きくなっています。

もちろん、会社は会社で別途法人税を納税
しなければいけませんので、これが全ての
税金というわけではありませんが、社会保険料
の負担もかなり大きいということに配慮が必要です。

そしてこの場合、たとえば役員報酬を
5,000円下げて月額48万円(年額576万円)
にした場合、社会保険料の負担は以下の
ようになります。

健康保険料   (月額)54,943円
厚生年金保険料 (月額)80,464円
合計      (月額)135,407円

これを年額に直すと
(月額)135,407円×12ヶ月=(年額)1,624,884円

このように、役員報酬を月額48.5万円
(年額582万円)から月額5,000円下げて、
月額48万円(年額576万円)にした場合、
社会保険料が年額で10万円以上安くなっ
ています。

つまり手取金額は多くなっています。

なぜこのようなことが起こるかといいますと、
社会保険料が段階的な設定になっているからです。

先程の例で説明すると、
45.5万円以上~48.5万円未満と
48.5万円以上~51.5万円未満で
適用される段階が異なるからです。

いずれにしろ、役員報酬の金額を決める
際には、税金に加えて社会保険料も考慮
しておかなければなりません。

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