税務情報ブログ
屋税理士事務所HOME > 税務情報ブログ
税務情報ブログ
ブログアーカイブ

給料の源泉徴収

投稿日:2015年05月11日

1.給料の源泉徴収義務
2.給料の源泉所得税の納税義務者
3.給与所得の扶養控除等(異動)申告書
4.給料の源泉徴収税額表
5.「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合
6.源泉徴収した所得税の納付期限

 

給料の源泉徴収義務

 

何か事業を行う場合、給料に関する知識
は欠かせません。

従業員の給料の決め方に始まり、
毎月の給料計算、給料明細書の作成、給料の振込、
そして、毎年の給料の昇給、給料の年末調整、等々、
給料に関する業務は多岐にわたります。

会社を経営している場合には、当然、役員
報酬や従業員の給料を支払うことになりますし、
個人事業主の方でも従業員やアルバイトを雇用
した場合には給料を支払うことになります。

給料を支払う際に注意しなければならな
いのが所得税の源泉徴収です。

所得税の源泉徴収とは、給料を支払う際に、
その給料にかかる所得税を、給料の支払者で
ある会社や個人事業主が徴収し税務署に納
付するという制度です。

 

給料の源泉所得税の納税義務者

 

役員報酬や給料を支払っていて、所得税を
源泉徴収する必要のある会社や個人事業主
のことを源泉徴収義務者と言います。

源泉徴収義務者は、役員や従業員に支払う
給料から所得税を源泉徴収(控除)し税務署
に納付する義務を負うことになります。

 

給与所得の扶養控除等(異動)申告書

 

では、給料を支払う際に源泉徴収しなければ
いけない所得税はいくらなのでしょうか。

これは、その給料を受給する役員や従業員が、
「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を
源泉徴収義務者である会社や個人事業主に提出
しているか否か、また、配偶者や扶養親族の
人数により変わってきます。

「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」とは、
給料の支払いを受ける役員や従業員が、配偶者
控除や扶養控除、障害者控除等の各種所得控除
を受けるために、源泉徴収義務者である会社や
個人事業主に提出しなければならない書類です。

したがって、給料の受給者がこの「給与所得の
扶養控除等(異動)申告書」を提出していないと、
各種所得控除を受けることはできません。

この、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
は、毎年、その年の最初の給料の支給日の前日ま
でに、源泉徴収義務者に提出しなければなりません。

また、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
は、原則として1人1枚しか提出することができません。

どういうことかと言いますと、一人で2つ以上の
会社で勤務している方は、そのうちのいずれか1社
にしか提出できないということです。

この、「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」
を提出することにより、次に説明する「源泉徴収
税額表」の「甲」欄で、源泉徴収する所得税額を
計算することができます。

 

給料の源泉徴収税額表

 

給料から源泉徴収しなければいけない所得税額は、
国税庁が発行している「源泉徴収税額表(平成27年版)」
を見て確認することになります。

源泉徴収税額表(平成27年版)

表の見方は、給料額面金額から社会保険料
(健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、
等の合計)を差し引いた金額を「その月の
社会保険料等控除後の給与等の金額」欄に
当てはめ、あとは、「扶養親族等の数」に
より税額を求めます。

たとえば、月給給料30万円、社会保険料4万円、
扶養親族等の数が2人(妻と子供1人)の方であれば、
「その月の社会保険料等控除後の給与等の金額」
欄の「260,000以上263,000未満」のところを見ます。

扶養人数が2人なので、「扶養親族等の数」2人
のところを見ると税額が3,730円となっていま
すので、この税額を給料から控除します。

源泉徴収税額表(平成27年版)

源泉徴収税額表

この人の給料明細を簡単に例示すると以下のよう
になります。

(例)給料明細
給料(額面)300,000円
社会保険料 ▲40,000円
源泉所得税  ▲3,730円
差引支給額  256,270円

 

「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出しない場合

 

他に主たる勤務先がある等の理由で、役員や従業員が
「給与所得の扶養控除等(異動)申告書」を提出し
ない場合には、源泉徴収義務者は「源泉徴収税額表」
の「乙」欄で所得税を源泉徴収しなければなりません。

この場合、税額表を見てもわかるように「甲」欄に
比べてかなり高い税額設定になっています。

したがって、複数の会社で勤務している会社員は、
各会社から給料の源泉徴収票を発行してもらい
確定申告を行うことにより、年間の所得税を清算
することになります。

 

源泉徴収した所得税の納付期限

 

給料から源泉徴収した所得税は、原則として、
給与などを実際に支払った月の翌月10日まで
に税務署に納めなければなりません。

納付が遅れると、不納付加算税や延滞税等の
加算税が課せられますので、ご注意ください。

また、この納税の際に使用する税金の納付書は、
「給与所得、 退職所得等の所得税徴収高計算書」と
いうもので、これは税務署でもらうことができます。

しかし、「使用する従業員が10人未満」である場合には、
給料から源泉徴収した所得税を、半年分まとめて納める
ことができる特例があります。これを「源泉所得税の納期
の特例」といいます。

この特例を受けていると、納付時期は以下のようになります。
1~6月に支払った役員報酬や給料等については、
7月10日までに納付。
7~12月に支払った役員報酬や給料等については、
翌年1月20日までに納付。

この特例を受けるには、税務署に「源泉所得税
の納期の特例の承認に関する申請書」を提出しな
ければなりません。

また、この特例は、申請書を提出した月からではなく、
その翌月 以降の役員報酬や給料等の支払いから適用
されますのでご注意ください。

法人化のメリット

投稿日:2014年11月13日

1.法人化による4つのメリット
2.法人化の3つのデメリット
3.一人事業の法人化と税金
4.二人以上の事業の法人化と税金

 

法人化による4つのメリット

 

現在、個人事業主として事業を行っている
方が、法人化した場合には、どのような
メリットがあるのでしょうか。

法人化によるメリット1(信用)
取引先が上場会社等の場合、個人事業主で
は取引してもらえない場合があります。
同様に、インターネットショッピングモールへ
の出店も個人事業主では困難な場合があります。

このような場合には、それらの会社と取引
を行えるように、現在行っている個人事業を
法人化する必要があります。
また、求人募集の際にも、法人の方が信用度
が高いと思われる傾向があります。

法人化によるメリット2(有限責任)
個人事業主の場合、債務はすべて返済しないと
いけません。
一方、株式会社や合同会社の場合、株主は出資
の範囲内で責任を負うという有限責任が採用さ
れています。

有限責任とは、会社の債務はあくまで会社の
債務ですので、その債務を会社の株主が返済
する必要は無いということです。株主は、会
社設立時または増資時に出資した金額以上に
債務を負うことはありません。

法人化によるメリット3(青色欠損金)
個人事業主の場合、青色欠損金は3年間繰越
して、その後の利益と相殺することができます。
一方、法人の場合、青色欠損金は9年間繰越
すことが可能です。

※青色欠損金とは、ある事業年度に損失が出た
場合、その後の事業年度の利益と相殺できる
という制度です。この損失を繰越せる期間が、
個人と法人で異なるのです。
もちろん、繰越せる期間が長い方が有利です。

法人化によるメリット4(税金)
個人事業主と法人では、税金の計算方法が
全く異なるため、収入金額にもよりますが
節税することが可能となります。

 

法人化の3つのデメリット

 

法人化によるデメリット1(費用)
法人の設立や維持に費用がかかります。
会社の設立費用は、株式会社であれば
約25万円、合同会社であれば約9万円、
くらいです。

また、個人事業主の場合、利益が出て
いなければ税金がかかりません。
一方、法人の場合、利益が出ていなく
ても年額7万円の税金がかかります。

法人化によるデメリット2(経理)
個人事業主の場合、白色申告であれば
簡単な会計帳簿を付ければ良いことに
なっています。
一方、法人の場合、複式簿記の原則に
従って会計帳簿を付けなければなりません。

法人化によるデメリット3(社会保険)
個人事業主の場合、従業員が4人以下
であれば社会保険への加入は任意です。
一方、法人の場合、社長一人の法人で
あっても社会保険に加入しなければな
りません。

現在、年金の支給開始年齢は65歳ですが、
将来的に68歳や70歳まで引き上げられる
可能性が高くなっています。

高額な厚生年金保険料(2014年11月現在:
会社と給料の受給者の負担分を合わせて、
給料の17.47%が保険料)を支払っても、
将来的にその年金を何年間受給できるのか
考えると、個人事業主が加入する国民年金
でも十分かなと、個人的には思います。

あとは、国民年金基金に加入する等、
個々の自助努力で老後に備えた方が
賢い方法かもしれません。

※ちなみに、先ほどの厚生年金保険料
17.47%に、一般的な中小企業が加入
する全国健保協会の健康保険料率(
2014年11月現在[東京都]:会社と給料
の受給者の負担分を合わせて、給料の
11.69%が保険料)を加えると29.16%
の保険料となり、かなり高額の社会保険
料の負担となります。

 

一人事業の法人化と税金

 

個人事業主として、奥様やお子様と一緒
に事業を行っている場合であれば、その
奥様やお子様に青色事業専従者給与とい
う給料を支給することができます。

結果として、所得の分散効果で、家族
全体としての税金は少なくなります。

しかし、一人で個人事業を行っている場合、
家族に青色事業専従者給与を支払うという
ことができません。

事業の所得は、全て個人事業主本人の所得
として課税されますので、結果として税金
が多くなってしまいます。

このような場合には、個人事業主の所得が
900万円を超えた時点で法人化を考えた方
がいいです。

理由は簡単で、所得税よりも法人税の方が低
くなるためです。

個人の場合、所得が900万円を超えた時点
で、所得税と住民税を合わせた税金の負担率
が43.69%となっています。

※2014年11月現在(以下同様)

法人の場合は、最も税率が高い800万円超の
法定実効税率でも35.64%となっています。

「所得税43.69%>法人税35.64%」
もちろん税率が低い方が有利なので法人税の方
が有利となります。

一方、個人事業主の所得が900万円以下の場合
、所得税と住民税を合わせた税金の負担率は
33.48%となります。

これだと、法人の最も高い800万円超の法定実効
税率35.64%と比べて所得税の方が低くなってい
ます。

「所得税33.48%<法人税35.64%」
この場合には所得税の方が有利になりますので、
個人事業主のままでいた方が良いということに
成ります。

法人化した場合の役員報酬の設定金額でも税額
は大きく変わりますが、ザックリと、個人事業主
で1000万円を超える所得がある人は法人化を
考えた方がいいでしょう。

あとは、法人化のデメリット3(社会保険)で
書きましたように、社会保険の加入による保険料
の負担増をどのように考えるか、という問題に尽き
ると思います。

 

二人以上の事業の法人化と税金

 

一人事業の法人化のところで既に書きましたが、
奥様やお子様と一緒に事業を行っている場合で
あれば、その奥様やお子様に青色事業専従者給与
という給料を支給することができるため、所得の
分散効果で、家族全体の税金が少なくなります。

このような二人以上の事業の場合、個人事業主で
あっても、家族に青色事業専従者給与を支払うこ
とにより家族全体の税金が少なくなるため、税金
に限って言えば、法人化するメリットは薄まると
考えていいでしょう。

したがって、二人以上の事業の場合、一人事業の
場合よりも所得が多くないと、法人化による節税
効果は期待できないということになります。

一方で、青色事業専従者給与を家族に支払うこと
ができるとはいえ、無制限に認められているわけ
ではありません。

あくまで、その親族の働きに見合った部分が給料と
して認められるだけですので、青色事業専従者給与
の金額には限度があります。

個人事業主の奥様が事業を手伝っていて、年額360万円
(月給30万円)の青色事業専従者給与を支払っている
場合、個人事業主本人の所得1,000万円と合わせて、
1,360万円の所得になれば、法人化を考えた方がいい
でしょう。

これに、さらにお子様が加わった場合、お子様の
青色事業専従者給与も加算した所得で、法人化の
有利不利を検討します。

このように、二人以上の事業の法人化は、個人事業主
本人の所得プラス青色事業専従者給与の合計額で法人化
の有利不利を検討します。

あとは、一人会社の法人化の場合と同様、社会保険
の加入による保険料の負担増をどのように考えるか、
という問題に尽きると思います。

役員報酬の変更

投稿日:2014年11月01日

1.役員報酬の種類
2.役員報酬の変更時期
3.役員報酬の期中変更

 

役員報酬の種類

 

会社は役員に対して役員報酬を支払います。

その役員報酬は、会社が自由に決めて良い
ことになっています。

しかし、税務上では、一定の条件に当て
はまる役員報酬のみ経費として認められ
ることになっています。

その理由は、役員報酬を変更することに
よって、会社の利益を調整することを防止
するためです。

税務上、会社の経費にならないと判断され
た役員報酬がどのように取り扱われるかと
いうと、以下のようになります。

1.会社の経費にならないため、会社の利益
が増える。結果として、会社の法人税が増
えます。

2.支払われた役員報酬は、役員個人の収入
になるため、役員に所得税や住民税が課税
されます。

このように、役員報酬が税務上の経費になら
ないと判断された場合には、会社と役員個人
の両方にダブルで税金が課税されてしまいます。

役員報酬の金額を変更する場合は、この点に
注意して変更するようにしましょう。

では、どのような役員報酬であれば税務上
の経費として認められるのでしょうか。

税務上の経費として認められる役員報酬は
次の3つしかありません。

①定期同額役員報酬
1ヶ月以下の一定の期間ごとに支給する
役員報酬で、毎月の支給額が同じ額である
役員報酬を言います。
(たとえば、6月~翌年の5月までの1年間、月額50万円ずつ支給)

②事前確定届出役員報酬
あらかじめ税務署に届出ておいた金額を
所定の時期(たとえば、6月と12月に
100万円ずつ支給)に支給する役員報酬
で、その定めに基づいて支給する役員報酬
のこと。
役員に賞与的な支給を行いたい場合などに、
事前確定届出役員報酬として定めておきます。

③利益連動型役員報酬
会社の利益に連動して支払う役員報酬です。
しかし、対象となる法人が上場会社等の
大企業に限定されているため、一般の中小企業
では認められていません。

もちろん、①と②を組み合わせたりして
役員報酬を設定することも可能です。

①の定期同額役員報酬は、ほぼ全ての会社
が採用している最も一般的な役員報酬です
ので、今回はこの定期同額役員報酬の変更
についてみていきたいと思います。

 

役員報酬の変更時期

 

既に書きましたように、税務上では一定の
条件に当てはまる役員報酬のみ経費として
認められることとなっています。

その条件に当てはまる定期同額役員報酬は、
原則として期中に金額を変更することがで
きません。

この場合の期中というのは、ある定時株主
総会から次の定時株主総会までの間という
意味です。

もし期中に定期同額役員報酬を変更すると
、変更した部分の金額が経費として認めら
れなくなってしまいます。

たとえば、3月決算の会社であれば、
株主総会は通常5月中頃に開かれます。

役員報酬の変更は株主総会の翌月からとい
う会社がほとんどですので、6月支給分の
役員報酬から金額変更するということにな
ります。

つまり、役員報酬の変更は、通常、会社の
決算月の3ヶ月後の支給分からというこ
とになります。

そして、6月から支給を開始した役員報酬
は、翌年の5月までの1年間変更してはいけ
ないということです。

たとえば、6月から月額50万円で支給を
開始した役員報酬を、8月に月額80万円
に増額変更した場合、8月~翌年5月まで
の300万円(変更月額30万円×10ヶ月)
は会社の経費として認められなくなります。

同様に、6月から月額50万円で支給を開始
した役員報酬を、8月に月額30万円に減額
変更した場合、6月~7月に支給していた
月額50万円のうち減額変更後との差額40
万円(変更月額20万円×2ヶ月)は会社の
経費として認められなくなります。

しかし、会社の利益調整を防止するためと
はいえ、期中の役員報酬の変更が全て認め
られないとすると、不都合な場合が発生す
るため、利益調整の恐れが無い場合に限って
期中での役員報酬の変更が認められています。

 

役員報酬の期中変更

 

役員報酬の期中での変更が認められる
ケースは、以下のような場合です。

1.取締役から代表取締役への変更等、
役員としての区分が変更になったこと
による役員報酬の変更。

2.役員が怪我や病気のため業務を行う
ことができなくなったため、その業務
を行うことができなくなった期間の
役員報酬を減額変更した場合。

3.社員や会社の法令違反等があり、
その責任を取る形で役員報酬を減額
変更する場合。

4.会社が合併や分割を行った場合で、
その会社の両方から役員報酬の支給
を受けている場合。

5.会社の業績が著しく悪化したことに
より、第三者(株主や銀行、取引先、等)
との関係上、役員報酬を減額変更せざる
を得ない場合。

上記の5つのケースに当てはまる場合、
役員報酬の変更は可能ですが、その変更
の原因となった理由を後々説明できるよ
うに、株主総会議事録や取締役会議事録
を準備しておきましょう。

また、5.の「会社の業績が著しく悪化した
こと」を理由とする役員報酬の減額変更は、
第三者である株主や銀行、取引先、等との
関係で役員報酬を変更したということがわ
かるような書類を何か準備しておきましょう。

いずれにしろ、役員報酬の変更は一歩間違え
ると経費として認められなくなりますので
慎重に行いましょう。

役員報酬の決め方

投稿日:2014年09月05日

1.役員報酬とは
2.税務上の役員報酬
3.役員報酬の金額
4.役員報酬の税金と社会保険料

 

役員報酬とは

 

会社は、従業員に給料を支払いますが、
それと同様に役員にも給料を支払わなけ
ればなりません。

この役員に支払う給料のことを役員報酬
といいます。

役員報酬の決め方には一定のルールがあります。

まず、株式会社の場合も同族会社の場合
も、定款に役員報酬の決め方が記載され
ていれば、その方法に従って役員報酬を
決定します。

株式会社で、定款に役員報酬についての
記載が無い場合、毎年の定時株主総会で
役員報酬の大枠(例:取締役報酬総額
年間1億円)を決めます。その後、
取締役会で各役員に支払う具体的な
金額を決めます。

取締役役会を設置していない株式会社
の場合には、取締役の話し合いにより
決定します。

合同会社で、定款に役員報酬についての
記載が無い場合、社員又は業務執行社員
による話し合いにより決定します。

起業したての会社であれば、役員は社長
一人、もしくは社長と奥様等の親しい親族
のみでしょうから、自分たちで自由に
役員報酬を決めても問題ありません。

 

税務上の役員報酬

 

役員報酬は、株主総会や社員総会で自由に
決めていいとはいったものの、一つ注意し
なければいけない点があります。

それは、役員報酬の金額を期中に増減させ
てはいけないということです。

理由は、期中に役員報酬を増減させてしま
うと経費として認められなくなってしまう
からです。

この場合の期中というのは、ある定時株主総会
から次の定時株主総会までの間という意味です。

税務上、なぜこのようなルールがあるのか
というと、答えは簡単で、期中に役員報酬
を増減して会社の利益を調整するのを防止
するためです。

たとえば、決算近くになって会社に大きな
利益が出ている場合には、役員報酬を増額
し法人税の額を減らしたり、逆に、会社が
赤字になりそうな場合には、役員報酬を
減額したりというような感じです。

役員報酬と会社の利益の関係は以下のよう
になります。

①役員報酬を上げる
会社の法人税は減りますが、会社が赤字に
なる可能性もあります。また、役員報酬
を上げることにより社長個人の所得税は
増加します。

②役員報酬を下げる
会社の利益は増えますが、法人税も増加
します。また、役員報酬を下げることによ
り社長個人の所得税は減少します。

したがって、毎年の定時株主総会で
役員報酬を決定する際には、当期の利益
を予測して、それに沿った形で役員報酬
を決定しないと、後々、法人税が多額に
かかったり、逆に会社が赤字になって
銀行から融資が受けられなくなったり
といった事態に陥ってしまします。

毎期の利益予測が困難な起業当初は、
自分と家族が生活できる分を役員報酬に
しておくというのも良いかもしれませんね。

 

役員報酬の金額

 

以上にみてきた、役員報酬の金額設定
方法を総合すると以下のようになります。

①独立起業時
起業後1~2は赤字になることが多く、
また、利益予測が困難であるため、
自分と家族が生活できる金額を役員報酬とする。

②ある程度利益が予測できるようになったら
起業後3~4年程度が経過し、当期利益
の金額が予測できるようになったら、
利益金額を基に役員報酬を決定する。

③期中には役員報酬を増減させない

 

役員報酬の税金と社会保険料

 

また、役員報酬を決める際には、税金以外
に考えなければいけない重要なことがあります。

それは、社会保険料です。
たとえば、社長本人が40代、扶養2人(妻と子)、
役員報酬月額48.5万円(年額582万円)の場合、
会社負担分と自己負担分を合わせた社会保険料
の金額は以下のようになります。

健康保険料   (月額)58,450円
厚生年金保険料 (月額)85,600円
合計      (月額)144,050円
(平成25年11月現在の保険料率で計算)

これを年額に直すと
(月額)144,050円×12ヶ月=
(年額)1,728,600円

一方、社長個人の税金は以下のようになります。

所得税(年額)114,100円+住民税(年額)228,000円=
(年額)342,100円

役員報酬の金額にもよりますが、
このように、税金よりも社会保険料
の負担の方が大きくなっています。

もちろん、会社は会社で別途法人税を納税
しなければいけませんので、これが全ての
税金というわけではありませんが、社会保険料
の負担もかなり大きいということに配慮が必要です。

そしてこの場合、たとえば役員報酬を
5,000円下げて月額48万円(年額576万円)
にした場合、社会保険料の負担は以下の
ようになります。

健康保険料   (月額)54,943円
厚生年金保険料 (月額)80,464円
合計      (月額)135,407円

これを年額に直すと
(月額)135,407円×12ヶ月=(年額)1,624,884円

このように、役員報酬を月額48.5万円
(年額582万円)から月額5,000円下げて、
月額48万円(年額576万円)にした場合、
社会保険料が年額で10万円以上安くなっ
ています。

つまり手取金額は多くなっています。

なぜこのようなことが起こるかといいますと、
社会保険料が段階的な設定になっているからです。

先程の例で説明すると、
45.5万円以上~48.5万円未満と
48.5万円以上~51.5万円未満で
適用される段階が異なるからです。

いずれにしろ、役員報酬の金額を決める
際には、税金に加えて社会保険料も考慮
しておかなければなりません。

経営理念 業務内容 料金表 会社設立サポート 税理士変更サポート 事務所設立Story 無料相談からお見積もりまで 税務情報ブログ 採用情報 お問い合わせ
会社設立や経理代行等、各種税理士業務に関するご相談なら、新宿の屋税理士事務所までお気軽にご相談ください。
屋税理士事務所
東京都新宿区新宿2‐14‐6
第一早川屋ビル305
●地下鉄新宿御苑前駅・新宿三丁目駅徒歩5分
●JR新宿駅徒歩10分