経営セーフティー共済とは
自社の取引先が倒産してしまった場合、
中でも大きな得意先が多額の売掛金を支払わずに倒産してしまった場合、
自社の経営に多大な影響を及ぼします。
そのような場合に、中小企業の連鎖倒産を防止する制度として、
中小企業基盤整備機構が運営する「経営セーフティー共済」という制度があります。
この経営セーフティー共済は、
中小企業が毎月掛金を積み立てることによって、
自社の取引先が倒産してしまった場合に、
掛金累計額の10倍までの融資を受けることが可能になるという制度です。
例えば、毎月1万円の経営セーフティー共済掛金を5年間支払った場合、
経営セーフティー共済掛金の累計金額は
毎月1万円 × 12か月 × 5年 = 掛金累計金額60万円
となります。
この場合、自社の取引先が倒産した際に融資を受けることが可能な金額は、
掛金累計金額 60万円 × 10倍 = 600万円
となります。
経営セーフティー共済は節税対策にも
損金として計上できる
弊社の顧問先様でも、この経営セーフティー共済に加入されている会社様が
結構いらっしゃいます。
理由は、もちろん「万が一の時に融資を受けることができる」こともそうなのですが、
どちらかというと節税対策が目的です。
なぜ「経営セーフティー共済」に加入することが
節税対策になるのかと言いますと、
この経営セーフティー共済の掛金は
会社の損金として計上することができるためです。
個人事業主の場合は必要経費として計上できます。(不動産所得等、事業所得以外の収入は不可)
会社の損金・必要経費として計上できるということは、
会社の支払う税金・法人税等が少なくなるということになります。
解約手当金は退職金等と相殺できる
経営セーフティー共済は解約する時に、
今まで積立ててきた掛金を解約手当金として受け取ることができます。
この解約手当金は会社の益金として法人税が課税されますが、
経営セーフティー共済解約時に同時に役員退職金等を支給すれば、
解約手当金の益金を相殺することができます。
会社の役員が役員退職金を受給する場合には、
通常の役員報酬と違って税制上の優遇措置(退職所得控除)を受けることができるため、
かなりの節税効果があります。
経営セーフティ共済のデメリット
経営セーフティ共済に加入すること自体にデメリットはありませんが
加入前に注意しておきたい点があります。
場合によっては、せっかくの共済も、デメリットと受け取れてしまう状況もありますので、
しっかり確認しておきましょう。
40か月以内の解約
加入後40か月以内で解約してしまうと、
解約手当金が掛金累計金額を下回ってしまいます。
40か月以上加入できる見通しがあれば、
経営セーフティ共済への加入を検討してみてください。
取引先倒産に伴う融資
取引先が倒産したことにより、自社が融資を受けた場合、
融資金額の10%が掛金累計金額から減額されます。
状況によっては、経営セーフティ共済から融資を受けられる額が
想定していた金額を下回る可能性があるということです。
経営セーフティー共済へ加入するには?
屋税理士事務所では東京税理士会を通して、
「経営セーフティー共済」への加入代行業務を行っております。
「経営セーフティー共済」への加入についてご相談もお受けしておりますので、
節税対策を含めた経営相談は、新宿の屋税理士事務所までご連絡ください。
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