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会計

節税対策と資金繰り

2019年8月25日

節税とキャッシュアウトの関係

節税対策というのは、ほぼ全て
の場合においてキャッシュアウト
が伴います。

 

キャッシュアウトせずに経費だけ
計上できるというような、魔法の
ような節税対策というのはありま
せん。

 

したがいまして、節税対策を行う
場合には、長期的な資金繰りを
考慮に入れて計画を立てる必要
があります。

節税対策と内部留保

例えば、利益が1,000円で法人
税率が35%だったとします。
この場合、支払わなければいけ
ない法人税と手元に残るキャッシ
ュは以下の通りです。

 

ⅰ.(何も節税対策をしない場合)
利益1,000円×35%=法人税350円
利益1,000円-法人税350円=手元に残るキャッシュ650円

 

一方で、節税対策として1,000円
の経費を使った場合には以下のよ
うになります。

 

ⅱ.(節税対策として経費を1,000円分計上した場合)
(利益1,000円-経費1,000円)×35%=法人税0円
利益1,000円-(経費1,000円+法人税0円)=手元に残るキャッシュ0円

 

このように、節税対策を行って
法人税をゼロにしたのは良いの
ですが、手元に残るキャッシュ
もゼロになってしまいます。

 

ここまで経費を使ってしまうと
資金の内部留保が全くできない
為に、翌期以降に会社の業績
が悪化した場合や、翌期以降
に設備投資を考えている場合
には非常に困ったことになって
しまいます。

 

基本的にキャッシュアウトという
のは、会社の内部留保を考える
上では少ない方が良いのです。

長期平準生命保険で節税を行う場合に気を付けること

さらに、
上記の例はキャッシュアウトした
全額が経費になる場合ですが、
長期平準生命保険を利用した
節税対策の場合、1/2は経費
になりますが、残る1/2は
「保険積立金」という資産として
計上しなければなりませんので、
資金繰りはさらに悪化します。

 

上記の例で、節税のため
長期平準生命保険に1,000円
分加入した場合、資金繰りは
以下のようになります。

 

ⅲ.(節税対策として長期平準生命保険に1,000円分加入した場合)
{利益1,000円-(生命保険料1,000円×1/2)}×35%=法人税175円
利益1,000円-(生命保険料1,000円+法人税175円)=手元に残るキャッシュ▲175円

 

このように、利益金額1,000円
に相当する生命保険に加入して
しまったため、キャッシュフロー
がマイナスになってしまいました。

 

しかも、長期平準生命保険は
数十年の長期にわたって保険料
を支払い続けなければいけませ
んので、資金繰りの悪化は深刻
です。

 

節税対策として長期平準生命
保険に加入する場合でも、その
金額はよく検討すべきです。

 

もちろん、納税する法人税額だ
けを見れば、以下のように何も
節税対策をしない場合が最も
納税金額が大きいです。

 

(納税する法人税額)
ⅰ.350円(何も節税対策をしない場合)
ⅲ.175円(節税対策として長期平準生命保険に1,000円分加入した場合)
ⅱ.0円(節税対策として経費を1,000円分計上した場合)

 

しかし、残るキャッシュフローの
金額から見ると以下のようにな
ります。

 

(手元に残るキャッシュ)
ⅰ.650円(何も節税対策をしない場合)
ⅱ.0円(節税対策として経費を1,000円分計上した場合)
ⅲ.▲175円(節税対策として長期平準生命保険に1,000円分加入した場合)

 

もちろん、長期平準生命保険は、
解約時にまとまった金額の解約
返戻金を受け取ることができま
すので、長々期的に考えればそ
こまでのキャッシュフローの差は
ないと思います。

 

しかし、事業年度ごとの資金繰り
が見通せてこその会社経営です
ので、利益が出ているからといっ
て無理な節税対策に走らずに、
会社の内部留保を高めることも
長期的な会社経営のためには

重要なことになります。

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