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所得税

起業資金について―金融機関や自治体の融資斡旋制度を活用しよう

2014年10月20日

起業資金の必要性

私は、税理士業界で10年以上働き、
様々な形で起業する方を見てきました。

事業を立ち上げて継続させていかなけれ
ばならないという厳しい世界。

そこでは、どんなに素晴らしいビジネス
プランやアイデアを持っていたとしても、
起業資金が無ければ事業として日の目を
見ることはありません。

起業資金というのは、事業を立ち上げる
ために必要な店舗や事務所を借りたり、
機械やその他の設備を購入したり、商品
や材料を購入したり、人件費を支払った
りするための資金です。

この起業資金は二つに分けることができます。

一つは、店舗や事務所を借りたり、機械
やその他の設備を購入したりするための
設備資金です。

この設備資金は、起業する際にまとめて
かかる費用ですので、金額も大きくなります。

もう一つは、事業立ち上げ後、事業が軌
道に乗るまでの人件費や商品の仕入代金、
家賃や水道光熱費等を支払うための運転
資金です。

運転資金は、設備資金に比べて一つ一つ
の金額は少額のものが多いですが、起業後、
事業が軌道(採算ベース)に乗るまで6~
12カ月間くらいの合算となりますので、
これもそれなりに大きな金額となります。

そして、この設備資金と運転資金の合計
額が起業に必要な資金となります。

では、この起業に必要な資金である起業
資金はどのようにして調達すればいいの
でしょうか。

起業資金の種類

起業資金の捻出方法は、大きく分けて以下
の三つになります。

自己資金

起業する際には、当然ある程度の自己資金
が必要になります。

自己資金は多ければ多いほどいいのですが、
全額が自己資金でなくても結構です。

ただし、自己資金が全くないと起業するこ
とはできません。

起業資金を銀行融資等で賄うにしても、ある
程度の自己資金は必要となります。

親類や友人からの援助

先ほど述べた自己資金だけでは起業資金を
調達できない場合には、親類や友人からの
資金援助を考えなくてはなりません。

しかし、いくら親兄弟や親しい友人とはいえ、
数十万円から数百万円にも上る起業資金を、
そう簡単に提供してくれるとは限りません。

そういった場合には、提供してくれた資金
に対して利息や配当金を支払う等、何らかの
インセンティブを付けて資金提供をお願い
をすることになります。

しかし、この利息や配当金も多額になってし
まうと、後々経営を圧迫してしまいますので、
自己資金とのバランスを考えなければなりません。

銀行融資

起業時に、銀行や信用金庫等の一般金融機関
に直接融資を申し込んでも、100%断られます。

といいますのも、一般の金融機関に直接融資
を申し込む場合には、過去2~3年分の自社
の確定申告書や決算書を提出し過去の業績を
開示しなければなりません。

しかし、当然、起業当初は過去の業績など
存在しません。

ということは、一般の金融機関が独自に融資
の可否を判断できる材料がないということに
なりますので、直接融資を申し込んでも100
%断られてしまうというわけです。

とはいえ、起業時に、金融機関からの融資は欠
かせないものです。

起業資金のために銀行融資を申し込む方法

一般の金融機関からの融資が駄目でも、
他に融資を受けられる方法があります。

それは、日本政策金融公庫信用保証協会
を活用した起業融資です。

日本政策金融公庫

まず、日本政策金融公庫についてですが、
この会社は国が100%を出資する国策金融
機関です。

ですので、この組織は国の意向を強く受け
ることになります。

現在、国は、経済活性化策の一つとして起業
支援を掲げています。

その一環として、日本政策金融公庫も起業
資金の融資に力を入れています。

日本政策金融公庫が行う起業資金の融資の
なかでも「新創業融資制度」という起業
家向けの融資では、最大1,500万円まで無担
保・無保証人で融資が可能とされています。

日本政策金融公庫HP「新創業融資制度」について

通常、一般の金融機関であれば求められる
代表者の連帯保証が無いため、万が一会社
が倒産してしまった場合でも、代表者が融資
の返済を求められることはありません。

これは大きなメリットです。

一方で、日本政策金融公庫を利用した融資の
デメリットは、次に説明する保証協会を利用
した融資よりも、利息負担が重くなる場合が
多いということです。

利息の負担は2%台後半~3%台

(詳しい金利については、利率一覧表参照)

融資実行までの期間については、日本政策
金融公庫の場合、融資の相談から実行まで、
大体1ヶ月くらいを目安に考えておきましょう。

(ただし、不動産等の担保を提供できる場合
には、2週間くらいで融資が実行される場合も
あります。)

信用保証協会

次に、信用保証協会を利用した起業資金の
調達についてご説明します。

信用保証協会は国の公的機関であり、起業家
や中小企業が金融機関から融資を受ける際、
保証人になってくれます。

金融機関としては、融資に保証協会の保証を
付けることで、融資の返済が滞った際のリスク
を軽減できるため、中小企業への融資の際に
は頻繁に利用されています。

自治体の融資斡旋制度

この信用保証協会の制度を利用して、各都道
府県や市区町村等の自治体が独自に行ってい
る融資の斡旋制度があります。

この制度は、各自治体の斡旋により、起業家
や中小企業が、信用保証協会の保証付きで一般
の金融機関から融資を受けることができると
いう制度です。

各自治体は、域内での起業を促進することに
よって、雇用や税収の増加を期待することがで
きますので、利息や信用保証協会の保証料の
補てん等、様々な特典があります。

一方で、各自治体が独自に設けている制度です
ので、その内容はバラバラで、そもそもこのよ
うな制度が無い自治体もあります。

※2022年8月現在
東京都が行っている創業融資の斡旋は、
最大3500万円まで
利息の本人負担率は約2%台
(詳しくは、東京都中小企業制度融資『創業』のご案内をご覧ください。)

※2022年8月現在
新宿区が行っている創業融資の斡旋は、
最大2000万円まで
利息の本人負担率は0.7%台
また、保証協会の保証料の1/2を区が
補てんしてくれます。
(詳しくは、新宿区中小企業向け制度融資をご覧ください。)

各自治体が行う融資斡旋制度のデメリット
は、自治体と信用保証協会と金融機関の3者
が係るので、日本政策金融公庫の融資よりも
時間がかかるということです。

融資の相談から実行まで、大体2ヶ月
くらいを目安に考えておきましょう。

自己資金の必要性

どの銀行に融資を申し込むにしても、
自己資金がゼロでの起業というのは、
計画性が全くないとみなされて取り
合ってくれません。

したがって、起業に必要な資金のうち、
最低でも1/3は自己資金で準備するよ
うにしましょう。

起業資金の調達は、ビジネスを成功
させるための第一歩です。

それぞれの資金のメリットやデメリット
を考慮しながら計画的に進めましょう。

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