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法人税

交際費と会議費 ―交際費は税務調査でチェックされます!

2014年12月17日

交際費と会議費についての質問

会社の経理担当者の方から、我々税理士に対する質問として、

「会議費と交際費はどのように違い、どのように区別したらいいですか」というのがよくあります。

そこで今回は交際費と会議費についてどのような違いがあるのかについてご説明していきます。

交際費と会議費は、損益計算書上では似たような勘定科目であっても、

税務上の取扱いは全く異なるものなのです。

交際費とは

交際費とは、「自社の取引先(得意先や仕入先)に対して、接待、慰安、贈答、等を行うため」に支出する費用のことです。

この交際費ですが、法人税を申告するうえでどのくらい経費として認められるかは、その時の経済・財政状況によって頻繁に変わります。

現在、中小企業(資本金1億円未満の会社)の場合、交際費のうち下記1か2のいずれか多い金額まで法人税法上の経費とすることが可能です。

1.交際費の合計金額のうち年間800万円

2.取引先との飲食に使った交際費の50%
(※2018年8月時点)

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の場合、上記1は認められず2の金額までしか交際費として認められません。

会議費とは

自社の役員や従業員のみ、または、社外の取引先を交えて行った打合せや会議で、その打合せや会議の際に提供される飲食物が通常の昼食程度のものである場合には、その飲食費は会議費になります。

この会議費は、法人税を申告する際にも全額経費として認められます。

個人事業主の交際費

個人事業主の場合、支出した交際費の全額が経費として認められます。

したがって交際費という点から見れば、税務上、法人よりも個人事業主の方が有利ということになります。

「自社の取引先(得意先や仕入先)に対して、接待、慰安、贈答、等を行うため」の支出という点は変わりありませんのでご注意ください。

交際費と税務調査

交際費は税務調査でチェックされます

中小企業の場合、交際費として認められるのは、年間800万円または飲食に使った交際費の50%のいずれか大きい金額までです。

一方、資本金が1億円以上の大きな会社の場合、交際費として飲食に使った金額のうち50%までしか経費として認められません。


また、飲食費以外の交際費は全く認められません。

したがって、本来交際費に該当するはずの支出を、会議費等の他の
科目に置き換えて経費にしてしまうようなことが行われがちです。

しかし、このようなことは税務署もお見通しですので、税務調査の際には、本来交際費に該当する支出が会議費等の他の科目に含まれていないか調べることがあります。

また、中小企業や個人事業主でも交際費の税務調査は行われます。

これは、本来交際費にも会議費にも該当しないはずの、仕事とは関係の無い家族旅行や友人との飲食が交際費として計上されていないかどうか確認するためです。

会議費と認められるケースについて

取引先との懇親を目的とした飲食費は、原則として交際費になります。

しかし、このうち一定の範囲内の飲食については会議費として処理することが認められています。

その一定の範囲内とは、「一人あたりの金額が5,000円以下の飲食費」です。

たとえば、自社の役員と従業員および取引先の従業員2名の合計4人で行った飲食については、合計金額が20,000円以下であれば、交際費ではなく会議費として処理することができます。

なお、この「一人あたりの金額が5,000円以下の飲食費」を会議費として処理するには、これら飲食の事実がわかる領収書とともに、以下の事項を記載した書類を作成して保管しておかなければなりません。

1.飲食の年月日

2.飲食に参加した者の氏名または名称とその関係

3.飲食に参加した人数

4.飲食の合計金額と1名あたりの金額

5.店名とその所在地

6.その他参考となるべき事項

社内の者だけで飲食した場合は…

先程の、「一人あたりの金額が5,000円以下の飲食費」を会議費として処理することができるのは、取引先等の社外の人と飲食した場合に限られています。

社内の者だけで仕事の打合せ等のために飲食した場合には、原則通り、その飲食が会議費の範囲内のものであれば会議費となり、範囲外の飲食費は交際費となります。

 

また、当然ですが、仕事と関係の無い飲食は会社の経費とすることができません。


このような場合、その飲食にかかった金額は、飲食した者に対する役員賞与または給与として処理されることになります。

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