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源泉所得税

年末調整について~初歩的なことから年末調整に必要な書類まで解説~

2016年11月25日

年末調整とは

そもそも年末調整とは?

今年も11月となり、年末調整の季節が近づいてきました。

年末調整の書類が入ったA4版封筒が会社にも届いていることかと思います。

さて、この毎年恒例の年末調整。

何のためにやるのかといえば、
給与をもらっている役員や従業員、
もちろんアルバイトもパートタイマーも、
その年の所得税を清算するために行います。

毎月のお給与からは、支給時に
社会保険料や所得税が差し引かれています。

しかし、税金は年単位で計算されるため、
毎月差し引かれている所得税は概算金額でしかありません。

そのため、年末調整を行うことにより
年間の所得税を計算し、毎月概算で差し引かれている
所得税との差額を、還付または徴収して
その年の税金を清算するのです。

年末調整の対象者

基本的に、年末時点で勤務している役員や従業員は
全員年末調整の対象となります。

また、年の中途で死亡した方や、
12月分給与の支払いを受けた後退職する人についても
年末調整を行う必要があります。

~年末調整から除外される人~

以下の人については年末調整を行うことができませんので、
各人で確定申告する必要があります。

1.その年の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出していない人

2.その会社から支給される年間の給与金額が2,000万円を超える人

3.非居住者(外国人等の短期滞在者)

年末調整書類の書き方

年末調整の書類

年末調整の時期に役員や従業員に記入してもらう書類には、
以下の3種類のものがあります。

1.「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」
(以下、「扶養控除申告書」といいます)

2.「給与所得者の保険料控除申告書 兼
給与所得者の配偶者特別控除申告書」

(以下、「保険料控除申告書」といいます)

3.「給与所得者の(特定増改築等)住宅
借入金等特別控除申告書」

(以下、「住宅ローン控除申告書」といい
ます)

会社としては、以上の書類を年末調整の時期に
全役員および従業員に配布、記入してもらい、
回収した書類の内容を確認して、年末調整を行うといった手順で
年末調整を進めていきます。

扶養控除申告書

「扶養控除申告書」は、年末調整の時期になると、
基本的に在職する役員や従業員全員に記入してもらいます。

この「扶養控除申告書」を提出することにより、
毎月の給与から差し引かれる所得税が、通常税率となります。

逆に言えば、この「扶養控除申告書」を提出しないと
給与から差し引かれる所得税が割高になってしまいます。

※2ヵ所以上の勤務先から給与をもらっている役員や従業員の場合、
いずれか一つの勤務先にしか「扶養控除申告書」を提出することができません。
したがって、既に他方の勤務先に「扶養控除申告書」を提出済みの場合には、
もう一方の勤務先に「扶養控除申告書」を提出することはできません。

「扶養控除申告書」には、年末調整にあたって
主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印
②控除対象配偶者や扶養親族
③本人や②の親族が障害者等に該当する場合にはその旨

保険料控除申告書

「保険料控除申告書」は、年末調整で控除することが可能な、
国民年金や国民健康保険料、小規模企業共済、
生命保険料、地震保険料、等の控除を受ける際に必要となります。

また、配偶者特別控除を受ける際にも
この用紙を提出する必要があります。

逆に言えば、控除できる保険料や年金を支払っていなければ
提出する必要はありません。

「保険料控除申告書」には、年末調整にあたって主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印

②国民年金、国民健康保険料、小規模企業共済、生命保険料、
地震保険料、等の支払金額(国民健康保険料以外は控除証明書を
提出する必要があります)

③配偶者特別控除額の計算

住宅ローン控除申告書

「住宅ローン控除申告書」は、年末調整で控除することが可能な
住宅ローン控除の適用を受ける場合に必要となります。

控除できる住宅ローン控除が無ければ提出する
必要はありません。

「住宅ローン控除申告書」には、
年末調整にあたって主に以下の事項を記入します。

①本人の氏名、住所、押印

②住宅ローン残高(金融機関の住宅ローン残高証明書を
提出する必要があります)

③住宅やその敷地の取得価格

年末調整で会社が行うこと

会社としては、以上で説明した「扶養控除申告書」
「保険料控除申告書」「住宅ローン控除申告書」
3種類の書類内容を確認します。

また、控除証明書等の添付書類が
揃っていることも確認して下さい。

そのうえで年末調整を行い、
毎月の源泉徴収税額との差額を還付または徴収します。

そして最終的に、源泉徴収票を発行することになります。

参考記事:屋税理士事務所の報酬は年末調整や支払調書作成料も込みです

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