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法人税

役員報酬の決め方

2014年9月5日

役員報酬とは

会社は、従業員に給料を支払いますが、
それと同様に役員にも給料を支払わなければなりません。

この役員に支払う給料のことを役員報酬といいます。

役員報酬の決め方には一定のルールがあります。

まず、株式会社の場合も同族会社の場合も、
定款に役員報酬の決め方が記載されていれば、
その方法に従って役員報酬を決定します。

株式会社で、定款に役員報酬についての記載が無い場合、
毎年の定時株主総会で役員報酬の大枠(例:取締役報酬総額年間1億円)を決めます。
その後、取締役会で各役員に支払う具体的な金額を決めます。

取締役役会を設置していない株式会社の場合には、
取締役の話し合いにより決定します。

合同会社で、定款に役員報酬についての記載が無い場合、
社員又は業務執行社員による話し合いにより決定します。

起業したての会社であれば、
役員は社長一人、もしくは社長と奥様等の親しい親族のみでしょうから、
自分たちで自由に役員報酬を決めても問題ありません。

税務上の役員報酬

役員報酬は、株主総会や社員総会で自由に決めていいとはいったものの、
一つ注意しなければいけない点があります。

それは、役員報酬の金額を期中に増減させてはいけないということです。

理由は、期中に役員報酬を増減させてしまうと
経費として認められなくなってしまうからです。

この場合の期中というのは、ある定時株主総会から次の定時株主総会までの間
という意味です。

税務上、なぜこのようなルールがあるのかというと、
答えは簡単で、期中に役員報酬を増減して会社の利益を調整するのを防止
するためです。

たとえば、決算近くになって会社に大きな利益が出ている場合には、
役員報酬を増額し法人税の額を減らしたり、
逆に、会社が赤字になりそうな場合には、
役員報酬を減額したりというような感じです。

役員報酬と会社の利益の関係は以下のようになります。

①役員報酬を上げる
会社の法人税は減りますが、会社が赤字になる可能性もあります。
また、役員報酬を上げることにより社長個人の所得税は増加します。

②役員報酬を下げる
会社の利益は増えますが、法人税も増加します。
また、役員報酬を下げることにより社長個人の所得税は減少します。
したがって、毎年の定時株主総会で役員報酬を決定する際には、
当期の利益を予測して、それに沿った形で役員報酬を決定しないと、
後々、法人税が多額にかかったり、
逆に会社が赤字になって銀行から融資が受けられなくなったり
といった事態に陥ってしまします。

毎期の利益予測が困難な起業当初は、自分と家族が生活できる分を役員報酬に
しておくというのも良いかもしれませんね。

役員報酬の金額

以上にみてきた、役員報酬の金額設定方法を総合すると以下のようになります。

①独立起業時
起業後1~2は赤字になることが多く、また、利益予測が困難であるため、
自分と家族が生活できる金額を役員報酬とする。

②ある程度利益が予測できるようになったら
起業後3~4年程度が経過し、当期利益の金額が予測できるようになったら、
利益金額を基に役員報酬を決定する。

③期中には役員報酬を増減させない

役員報酬の税金と社会保険料

また、役員報酬を決める際には、税金以外に考えなければいけない重要なことがあります。

それは、社会保険料です。

たとえば、社長本人が40代、扶養2人(妻と子)、役員報酬月額48.5万円(年額582万円)の場合、

会社負担分と自己負担分を合わせた社会保険料の金額は以下のようになります。

健康保険料   (月額)58,450円
厚生年金保険料 (月額)85,600円
合計      (月額)144,050円
(平成25年11月現在の保険料率で計算)

これを年額に直すと
(月額)144,050円×12ヶ月=(年額)1,728,600円

一方、社長個人の税金は以下のようになります。

所得税(年額)114,100円+住民税(年額)228,000円=(年額)342,100円

役員報酬の金額にもよりますが、このように、税金よりも社会保険料の負担の方が大きくなっています。

もちろん、会社は会社で別途法人税を納税しなければいけませんので、
これが全ての税金というわけではありませんが、
社会保険料の負担もかなり大きいということに配慮が必要です。

そしてこの場合、たとえば役員報酬を5,000円下げて月額48万円(年額576万円)
にした場合
社会保険料の負担は以下のようになります。

健康保険料   (月額)54,943円
厚生年金保険料 (月額)80,464円
合計      (月額)135,407円

これを年額に直すと
(月額)135,407円×12ヶ月=(年額)1,624,884円

このように、役員報酬を月額48.5万円(年額582万円)から月額5,000円下げて、

月額48万円(年額576万円)にした場合、
社会保険料が年額で10万円以上安くなっています。

つまり手取金額は多くなっています。

なぜこのようなことが起こるかといいますと、
社会保険料が段階的な設定になっているからです。

先程の例で説明すると、
45.5万円以上~48.5万円未満と48.5万円以上~51.5万円未満で
適用される段階が異なるからです。

いずれにしろ、役員報酬の金額を決める際には、
税金に加えて社会保険料も考慮しておかなければなりません。

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